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健診受診者数は増加中、がん検診受診率は依然課題―「令和5年度地域保健・健康増進事業の報告」

 厚生労働省はこのほど、「令和5年度地域保健・健康増進事業の報告」の概要を公表した。保健所や市区町村ごとに地域の特性に応じた保健施策の展開状況などを把握するもの。

 「地域保健編」「健康増進編」の2部構成となっており、「健康増進編」では健康診査やがん検診の受診状況などについて報告されている。本記事では「健康増進編」から一部をピックアップしていく。

「地域保健編」はこちら▶

健康診査の受診者数は増加中

 令和5年度に市区町村が実施した健康診査の受診者数は12万5372人で、令和2年度にコロナ禍で受診者数が落ち込んだが、以降、年々増加している。男女別に見ると、男性が5万9622人、女性が6万5750人で女性の方が積極的に受診している様子がわかる。

 検査の結果、「糖尿病個別健康教育対象者(ア/検査結果から生活習慣病の発症予防等のため指導が必要な人)」となったのは4万2175人で最も多く、受診者数に占める割合は33.6%だった。

 次いで多いのは「高血圧症個別健康教育対象者(イ/検査結果から生活習慣病の重症化予防等のため個別健康教育による指導が有効であると医師が認めた人)」の3万6380人で、同29.0%だった。

 歯周疾患検診は35万9554人、骨粗鬆症検診(女性のみ対象)は31万9819人が受診した。受診率は、歯周疾患検診が83.6%、骨粗鬆症検診が64.2%。

 このうち「要精検者」となったのは、歯周病疾患検診が64.5%、骨粗鬆症検診が16.7%で、いずれも年齢が上がるにつれてその割合は高くなっている。特に70歳で骨粗鬆症検査における「要精検者」の割合は32.3%、「要指導者」の割合は37.5%と高い。

 一方、令和5年度に市区町村が実施した集団健康教育の開催回数は9万279回、参加延人員は137万5720人だった。

 内容別では「一般(生活習慣病の予防のための日常生活上の心得、健康増進の方法、食生活の在り方等健康に必要な事項の教育)」が最も多く、「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」、「病態別(肥満・高血圧・心臓病等と個人の生活習慣との関係及び健康的な生活習慣の形成についての教育)」が続く。

がん検診の受診率は依然課題

 がん検診については、「肺がん」の受診率が「0〜10%未満」と低い割合を示した市町村数が、全国1737市町村中1047に上った。同様に「胃がん」も1024となっており、がん検診の受診率向上は依然、課題となっている。女性対象の「子宮頸がん」と「乳がん」については「0〜10%未満」はそれぞれ160、69となっており、そのほかのがんより受診率は高い傾向にある。

 がん検診で要精密検査者となった人のうち、がんであった人の数を、がん検診受診者数に対する割合で比べると、「胃がん」が0.10 %、「肺がん」が0.03 %、「大腸がん」が0.15 %、「子宮頸がん」が0.02 %、「乳がん」が0.33 % だった。

 要精密検査者の精密検査受診率は「乳がん」が89.5%と9割近かったが、「大腸がん」は70.4%と7割にとどまった。精密検査の受診率向上も求められる。

「令和5年度地域保健・健康増進事業報告の概況」(厚生労働省)

[yoshioka]