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ベジタリアンは長生き 肉の食べ過ぎは体に悪い
2013年06月06日
肉類をまったく食べないベジタリアンは、肉類を好んで食べる人よりも長生きするという研究が発表された。「肉類を控える食生活は健康的であることが裏付けられました」と、研究者は述べている。
野菜を多くとる食生活を続けると、2型糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、高血圧症などの循環器疾患の危険性が低下することは、多くの研究で確かめられている。 「完全な菜食主義になると心筋梗塞などの深刻な病気がどれだけ減るかを調査した研究は多くありません。今回の研究は、ベジタリアンの健康について調査したものです」と、カリフォルニア州にあるロマリンダ大学のマイケル オルリッチ氏(予防医学)は述べている。 研究チームは、北米で行われた大規模コホート研究「Adventist Health Study 2」に参加者した7万3,308人を、平均5.79年の追跡して調査した。 その結果、肉類をまったく食べないベジタリアンは、非ベジタリアンに比べ、死亡率が12%低下することが分かった。 ベジタリアンとは、動物性食品を避け、穀物、野菜、豆類、ナッツ類、果物などの植物性食品を中心にとる人々だ。 ベジタリアンでも、どのような動物性食品を避けるか、あるいは、どの程度の頻度で制限するかという点で違いがあり、いくつかの種類に分けられる。 研究チームは対象者を食事内容から、細かく下記の4つのグループと非ベジタリアンに分け、心筋梗塞や脳卒中、がん、腎臓病などによる死亡率を調べた。
・あらゆる動物性食品を食べない「ビーガン・ベジタリアン」
・乳製品や卵は食べる「ラクト・オボ・ベジタリアン」
・魚肉は食べる「ペスコ・ベジタリアン」
・鶏肉と魚肉は食べる「セミ・ベジタリアン」 その結果、非ベジタリアンに比べ、ビーガン・ベジタリアンでは15%、ラクト・オボ・ベジタリアンでは9%、ペスコ・ベジタリアンでは19%、セミ・ベジタリアンでは8%、それぞれ死亡率が低下した。 「肉類を食べ過ぎると、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取量が増え、脂質異常症や動脈硬化症の原因になります。ベジタリアンの中でも魚類を食べる人は、心疾患などの発症が少ないという結果になりました。植物や魚の脂肪に多く含まれる不飽和脂肪酸には、動脈硬化や血栓を防ぎ、血圧を下げるほか、LDLコレステロールを減らすなどの働きがあるためと考えられます」(オルリッチ氏)。 研究者は、赤身肉に含まれる「カルニチン」にも注目している。カルニチンは通常、体内で脂肪酸を細胞に運搬し、エネルギーとして利用されるのを助ける働きをする。 赤身肉を過剰摂取するとカルニチンが増え、腸内細菌に分解される過程で「トリメチルアミン」と呼ばれる物質を産生する。これが代謝の過程で酸化すると、動脈硬化を促進すると考えられている。 「健康な食習慣をもつ人は、平均して4~7年長生きすることが示されました。興味深いことに、菜食主義がもたらす恩恵は、女性よりも男性でより大きいことも分かりました。心筋梗塞などの発症は男性の方が多いことなどが影響していると考えられます」と、オルリッチ氏は説明する。 「健康寿命を延ばす秘訣は、"野菜をよく食べる"、"糖質の多い高カロリー食品を食べ過ぎない"、"運動を習慣として行う"、"たばこを吸わない"、"休息をとりストレスをためない"ことです」と強調している。 Vegetarian Dietary Patterns and Mortality in Adventist Health Study 2(米国医師会 2013年6月3日)
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