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認知症の症状がでる前に「先制医療」 健診で早期発見できる可能性
2015年07月15日
筑波大学は、血液中の「アミロイドβペプチド」の排除や毒性防御に働くタンパク質「シークエスタータンパク質」が、認知機能低下のマーカーになることを発見したと発表した。認知症を健診などの血液検査で早期発見できるようになる可能性がある。
健診で活用できる実用的な検査法の開発につながる成果
厚労省研究班の調査によると、2012年の日本の認知症高齢者数は462万人で、予備群数は400万人に上る。認知症の7割がアルツハイマー病で、要介護の原因疾患の20%が認知症であり、その社会コストは14.5兆円と推定されている。
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認知症の症状がでる前に「先制医療」 実現に期待
今回の研究のもとになったのは、2001年から継続して実施されている茨城県利根町のコホート研究で、研究チームは3年後ごとに認知機能検査、臨床診断と採血を行い、血液中のバイオマーカーの探索をしてきた。
約2,000人から始まったコホート研究で、それぞれの参加者を時間軸にそって、健常からMCIや認知症まで継続的に調査する「縦断研究」によって、シークエスタータンパク質の血液中の変化が明らかになった。
研究チームはこれらのタンパク質を独立した他の臨床サンプルで調べた結果、最終的に補体タンパク質、 アポリポタンパク質、トランスサイレチンの3つの血清タンパク質を組み合わせた解析(マルチマーカーによる回帰分析)により、認知機能健常とMCIを約80%の精度で識別することに成功した。
Amyloid-β sequester proteins as blood-based biomarkers of cognitive decline(Alzheimer & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring 2015年6月)
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