ニュース

「孤食」の高齢男性は2.7倍うつになりやすい 「共食」を進める施策が必要

 ひとりで食事をすることが多い「孤食」の高齢者は、一緒に食事をする人がいる高齢者に比べて2.7倍、うつになりやすいとの調査結果が発表された。
高齢者のうつを予防するために共食を進める施策が必要
 要介護認定を受けていない65歳以上の高齢者のうち、2010年にうつ症状のない3万7,193名を3年間追跡した研究で、「孤食」(ひとりで食事をとること)の人ほどうつ症状を発症していることが明らかになった。

 研究に参加した高齢者のうち、ひとり暮らしの男性で85%、女性で79%が孤食だった。研究チームは、約4,400人を対象に「高齢者用うつ尺度」(GDS)という評価法でうつ傾向を判定した。

 孤食となるかどうかは世帯状況に影響を受けるため、同居(誰かと暮らしている)か独居(ひとり暮らし)かの違いを考慮して検討した結果、独居男性では孤食だと共食(誰かと一緒に食事をとること)に比べて2.7倍うつを発症しやすいことが分かった。

 一方女性では、同居でも独居でも孤食であると1.4倍うつを発症しやすいという結果が得られた。「高齢者のうつを予防するために、孤食ではなく共食を進める施策が必要とされている」と、研究者は述べている。

 「日本老年学的評価研究」(JAGES)、健康長寿社会をめざした予防政策の科学的な基盤づくりを目標とした研究プロジェクト。全国の30の市町村と共同し、14万人の高齢者を対象にした調査が行われている。

 今回の研究は、JAGESプロジェクトの一環として、東京大学大学院医学系研究科保健社会行動学分野の谷友香子氏らによって行われた。

 過去のJAGESプロジェクトの調査では、孤食をしている高齢男性は食事の頻度が低下する傾向があり、共食している高齢男性に比べ欠食率が3.74倍高く、体格指数(BMI)が30以上の肥満の割合が1.34倍高いことなどが示されている。

日本老年学的評価研究(JAGES)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月21日
「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶