ニュース

ストレスの多い仕事は脳卒中リスクを上昇 効果的な介入が必要

 ストレスの多い職業に従事している人は脳卒中を発症リスクが高いという調査結果が発表された。特に、要求は厳しいが裁量権が少ない高ストレスの職業に就くと、脳卒中リスクが高まる可能性があるという。
高ストレスの仕事に就いている女性は脳卒中の発症リスクが高い
 中国の南方医科大学のユリ ヒュアン氏らは6件の研究を解析し、職業と脳卒中の関連について調べた。研究は米国神経学会が発行する医学誌「Neurology」に発表された。

 研究チームは、18~75歳の約14万人の男女を対象に、3~17年間追跡して調査した。解析した研究の1件は米国、3件はスウェーデン、1件は日本、1件はフィンランドで行われたものだ。

 その結果、ストレスの多い仕事に就いている人は、そうでない人に比べ、脳卒中を発症するリスクが22%高いことが判明した。

 特に「虚血性脳卒中」に関しては、ストレスの多い仕事に就いている人は、そうでない人に比べ、発症リスクが58%上昇していた。虚血性脳卒中は、脳内の血管が血栓などによって塞がれることによって起こる局所的な脳梗塞だ。

 脳卒中のリスクを性別にみたところ、女性ではストレスの多い仕事に就いている場合、脳卒中のリスクが33%上昇することが明らかになった。

 「ストレスの多い仕事に就いている人は、特に女性で脳卒中の発症リスクが大きく上昇することが明らかになりました」と、ヒュアン氏は言う。

 仕事のストレスの多い人は、体格指数(BMI)が上昇し、血糖値、コレステロール値が高い傾向があるという。これらは、心血管疾患の危険因子だ。

 「仕事のストレスが、喫煙、運動不足、品質の低い食習慣、必要な助けを得られないなど、不健康な行動スタイルを促している可能性があります」と、ヒュアン氏は指摘する。
要求度が高く裁量度の低い高ストレスの仕事で発症リスクは58%上昇
 研究チームは、時間的制約、精神的な要求度などを考慮し、仕事の要求・心理的負担と裁量によって4項目に分類し解析した。

 4項目は、要求度と裁量度がともに低い受動的な仕事(肉体労働者、用務員など)、要求度が低く裁量度は高い仕事(科学者、建築家など)、要求度が高く裁量度は低い仕事(看護師、介護士、サービス業従事者など)、要求度と裁量度がともに高い仕事(医師、教師、エンジニアなど)だった。

 その結果、要求度が高く裁量度は低い高ストレスの仕事では、脳梗塞の発症リスクが低ストレスの仕事よりも58%高かった。受動的または能動的な低ストレスの仕事では、リスク上昇はみられなかった。

 「解析した研究は脳卒中リスクについて十分に解明したものではありませんが、高ストレスの仕事と脳卒中の発症リスクには関連があるのは明らかです」と、ヒュアン氏は言う。

 「ストレスの多い仕事に就いている労働者に対して、効果的な生活習慣改善を指導するとともに、仕事の裁量と自由度を増やすよう調整し、ストレスレベルを下げる介入が必要となるでしょう」と指摘している。

Can Work Stress Be Linked to Stroke?(米国神経学会 2015年10月14日)
Association between job strain and risk of incident stroke(Neurology 2015年10月14日)
[Terahata]

「メンタルヘルス」に関するニュース

2021年12月20日
「住環境」は健康増進にも影響 「断熱と暖房」が血圧や住宅内での活動量に寄与 足元が暖かいことも大切
2021年12月13日
【新型コロナ】子供の心の実態調査 食事を食べられなくなる「神経性やせ症」の子供がコロナ禍で増加
2021年12月08日
「今求められる女性の健康サポート」へるすあっぷ21 12月号
2021年12月07日
「少食+運動不足」の女性は健康リスクが高い 運動習慣のない人も取り組みやすい「女性のためのエクササイズ」動画を公開
2021年12月07日
筋肉が減る「サルコペニア」は早期に対策すれば防げる 運動を意識して行い、筋肉の量と機能の低下を防ぐ
2021年11月30日
内臓脂肪が多いと認知症リスクが上昇 脳の異常も発生 内臓脂肪を減らせばリスクを減らせる
2021年11月30日
【新型コロナ】感染拡大で価値観を揺るがされ抑うつや不安に 感染対策に協力できているという達成感が救いに
2021年11月22日
【新型コロナ】ワクチン接種を受けたがらない人の心理的要因は? 誤った情報に振り回されている可能性が
2021年11月22日
【新型コロナ】コロナ禍で孤食が増加 孤独はさまざまな健康リスクをもたらす 高齢女性でとくに深刻
2021年11月16日
【新型コロナ】ウォーキングなどの運動でうつや不安を解消 座ったままの時間が長いとうつリスクが上昇
DASHプログラム
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(毎週木曜日・約11,000通)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶