ニュース
1日中座ったまま過ごすと糖尿病リスクが上昇 リスクを防ぐ7つの対策
2016年02月10日

1日の大半を座ったまま過ごし運動不足が続くと、糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。「1日に少なくとも2時間以上は立ち上がって、意識して体を動かすべきです」と専門家はアドバイスしている。
座ったままの時間が長いと糖尿病リスクが22%上昇
もしもあなたが1日の大半を机の前に座ったまま過ごしているのなら、ときどき立ち上がって体を動かすべきだ。1日の大半で体を動かさないで過ごすと、2型糖尿病のリスクが上昇する。1日の終わりにスポーツジムに行って、短時間の運動をしたとしても、運動不足を解消するのは難しいという。
オランダのマーストリヒト大学の研究チームが2,497人を対象に行った調査で、運動量の少ない生活をしている人は、糖尿病リスクが上昇することが明らかになった。
参加者は太股に装着するタイプの活動量計を8日間連続して使用し、24時間の身体活動を記録し、血糖値の変動も記録した。
参加者の56%は血糖値が正常だったが、15%で耐糖能異常が認められ、29%が2型糖尿病だった。
解析した結果、1日に座ったまま過ごす時間が1時間長いと、2型糖尿病の発症リスクが22%上昇することが明らかになった。
オフィスに勤務している人は1日の75%をパソコンなどの前に座ったまま過ごし、体を動かさないことが判明した。また、糖尿病の人は血糖値が正常な人に比べ、体を動かす時間が1日に26分少なかった。
短時間に集中して運動しても、長時間座ったまま過ごした影響を取り除くことはできず、糖尿病リスクを減らす役に立たないことも判明した。
運動不足は克服しなければならない課題
「糖尿病に対策するプログラムは運動不足を解消することを戦略に含めるべきです。体を動かさないでいるのは体にとって危機的な状態なのです」と、マーストリヒト大学のジュリアン ファン デル バーグ氏は言う。
運動をすると筋肉が収縮し、細胞のブドウ糖の代謝を制御するATPという物質が活性化する。ATPを作り出すミトコンドリアは運動不足が習慣化すると減ってしまう。
「糖尿病患者にとっても、糖尿病と診断されてない予備群にとっても、運動不足は克服しなければならない課題です。運動をすることで糖尿病をコントロールしやすくなります。このことは保健指導で重要な意味を示しています」と、ファン デル バーグ氏は指摘する。
この研究は欧州糖尿病学会(EASD)が発行する医学誌「ダイアベトロジア」に発表された。
運動不足を解消するための7つの対策

New research shows each hour of sedentary time is associated with a 22 percent increased risk of developing type 2 diabetes(DIabetologia 2016年2月2日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「運動」に関するニュース
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- [高血圧・肥満・喫煙・糖尿病]は日本人の寿命を縮める要因 4つがあると健康寿命が10年短縮
- 2025年02月04日
- ラジオ体操などにより要介護や認知症のリスクが低下 高齢化社会の健康施策に体操を活用
- 2025年02月03日
- 良い睡眠は肥満や高血圧のリスクを減らす 日本人の睡眠は足りていない 3つの方法で改善
- 2025年02月03日
- 運動とメンタルヘルスの深い関係 コロナ禍に活動的だった人はポジティブな感情を維持 運動は楽しく続けられることも大切