ニュース

2015年人口動態統計 死亡数が最多の129万人 3.5人に1人が「がん」

 2015年の日本の死亡数は129万人で過去最多を更新したことが、厚生労働省の「2015年人口動態統計月報年報」で明らかになった。死亡数の死因順位は(1)がん、(2)心疾患、(3)肺炎、(4)脳血管疾患となっている。
死亡数が129万に増加 75歳以上が7割超
 厚生労働省の「2015年人口動態統計月報年報」によると、2015年の日本の死亡数は129万428人で、前年に比べて1万7,424人増加した。75歳以上の高齢者の死亡数は1975年以降に増加し、2012年からは全死亡数の7割を超えている。
3.5人に1人が「がんで死亡」 心疾患も増加
 死亡数の死因順位は、(1)悪性新生物(がん) 37万131人(人口10万対の死亡率は295.2)、(2)心疾患 19万5,933人(同156.3)、(3)肺炎 12万846人(同96.4)、(4)脳血管疾患 11万1,875人(同89.2)、(5)老衰 8万4,755人(同67.6)となっている。

 第1位のがんは、2015年の全死亡者に占める割合が28.7%となっており、およそ3.5人に1人が「がんで死亡」している状況だ。がんは1981年以降に死因順位の第1位になってから、一貫して増加している。

 第2位の心疾患は、1985年に脳血管疾患にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率ともに増加しており、2015年は全死亡者に占める割合は15.2%となった。

 第3位の肺炎は1980年に第4位となり、その後も増加傾向が続き、2011年には脳血管疾患にかわり第3位となり、2015年の全死亡者に占める割合は 9.4%になった。

 第4位の脳血管疾患は、1970年をピークに減少しはじめ、1985年には心疾患にかわって第3位、2011年には肺炎にかわり第4位となり、2015年の全死亡者に占める割合は8.7%まで低下した。

 なお、性・年齢(5歳階級)別に主な死因の構成割合をみると、5~9歳ではがん・不慮の事故、10~14歳ではがん・自殺、15~29歳では自殺・不慮の事故、30~49歳ではがん・自殺がそれぞれ多くなっている。

 年齢が上がるにつれ、がんの占める割合が高くなり、男性では65~69歳、女性では55~59歳がピークとなっている。ここから「高齢者に対するがん治療は、年齢も考慮した治療が必要。がんの状態だけでなく、本人の意欲や平均余命、介護者の有無なども考慮して、患者ごとに適した治療方針が求められる」という問題意識が出てきている。

 さらに、がんの主な部位別に死亡率を見ると、男性では「肺」がもっとも高く(1993年以降第1位)、2015年の死亡数は5万3,170人、死亡率は87.2となった。女性では「大腸」(2003年以降第1位)と「肺」が高く、「大腸」がんによる2015年の死亡数は2万2,867人、死亡率は35.5となっている。
人口は過去最大のマイナス28万人 女性の出産率は改善1.46に
 2015年の出生数と死亡数の差である「自然増減数」はマイナス28万4,772人で過去最大の減少幅を記録した。しかし、1人の女性が一生の間に生む子供の数を示す「合計特殊出生率」は1.46となり、前年に比べて0.04ポイント上昇した。

 しかし、2015年の出生数は過去2番目に少ない100万5,626人だった。第二次ベビーブーム世代が生殖年齢から外れてきており、生殖年齢の女性は今後急速に減少するとみられる。各自治体が少子化対策を強化しているが、決して楽観視できない。

 出生数と死亡数の差である「自然増減数」を見ると、マイナス28万4,772人で、前年に比べて1万5,307人減少した。過去最大の減少幅となっており、我が国の「人口減少」に拍車がかかっていることが示されている。
平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚生労働省)
関連する法律・制度を確認>>保健指導アトラス【がん対策基本法】
[Terahata]
side_メルマガバナー

「健診・検診」に関するニュース

2025年08月21日
歯の本数が働き世代の栄養摂取に影響 広島大学が新知見を報告
2025年07月07日
子供や若者の生活習慣行動とウェルビーイングの関連を調査 小学校の独自の取り組みを通じた共同研究を開始 立教大学と東京都昭島市
2025年06月27日
2023年度 特定健診の実施率は59.9%、保健指導は27.6%
過去最高を更新するが、目標値と依然大きく乖離【厚労省調査】
2025年06月17日
【厚労省】職域がん検診も市町村が一体管理へ
対策型検診の新項目はモデル事業で導入判断
2025年06月02日
肺がん検診ガイドライン19年ぶり改訂 重喫煙者に年1回の低線量CTを推奨【国立がん研究センター】
2025年05月20日
【調査報告】国民健康保険の保健事業を見直すロジックモデルを構築
―特定健診・特定保健指導を起点にアウトカムを可視化
2025年05月16日
高齢者がスマホなどのデジタル技術を利用すると認知症予防に 高齢者がネットを使うと健診の受診率も改善
2025年05月16日
【高血圧の日】運輸業はとく高血圧や肥満が多い 健康増進を推進し検査値が改善 二次健診者数も減少
2025年05月12日
メタボとロコモの深い関係を3万人超の健診データで解明 運動機能の低下は50代から進行 メタボとロコモの同時健診が必要
2025年05月01日
ホルモン分泌は年齢とともに変化 バランスが乱れると不調や病気が 肥満を引き起こすホルモンも【ホルモンを健康にする10の方法】
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,800名)
登録者の内訳(職種)
  • 医 師 3%
  • 保健師 47%
  • 看護師 11%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 20%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶