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梅雨に多い「梅雨だる」を6割が実感 症状を深刻化させないポイント
2018年06月20日

「ウーマンウェルネス研究会」の調査によると、「梅雨」(6月~7月)は1年でもっとも天候ストレスを感じやすい季節だ。同研究会はこの時季に多い「梅雨だる」の予防・改善の方法を紹介している。
梅雨時期に感じやすい心身の不調
梅雨時期は低気圧の日が長く続く上に、気温の急激な変化や高い湿度、日照不足などの複数の天候ストレスが加わることで、ふだんよりも自律神経の働きが乱れやすくなる。
さらに、夏服に変わって薄着になる時期でもあり、場所によってはクーラーも入り始めるため、知らず知らずのうちに身体が冷えて血めぐりが悪くなり、さらに自律神経の乱れを悪化させてしまう可能性がある。
女性の健康力向上を通した社会の活性化への貢献を目指す「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」(代表:対馬ルリ子・女性ライフクリニック銀座院長/産婦人科医)は、梅雨時期に感じやすい心身の不調を「梅雨だる」と呼び、その症状と改善方法について解説している。
「梅雨だる」についての意識調査を実施
「ウーマンウェルネス研究会」によると、「梅雨だる」に影響しやすいのは、(1)気圧や気温などの急激な天候の変化、(2)空調設定の変化(クーラー使用)、(3)衣服や食生活の夏向きへの変化――という3つの変化だ。
同研究会は、「梅雨だる」についての意識調査を、首都圏在住の20~50歳代の男女810人を対象に実施した。
天候ストレスを感じやすい季節を聞いたところ、「梅雨」(6月~7月)と回答した人がもっとも多く、約6割(59.5%)が梅雨特有の不調「梅雨だる」を実感しているという結果になった。
「梅雨だる」の症状として多いのは、「だるい」(65.4%)、「憂鬱な気分」(39.6%)、「身体が重い」(30.5%)、「やる気がしない」(27.8%)、「疲労感」(25.5%)などで、さらに「肩がこる」「頭痛」「冷えを感じる」などの症状もみられた。
梅雨だるを実感していない人も、3人に1人(36.6%)は何らかの不調経験がある「かくれ梅雨だる」ということが明らかになった。

症状を深刻化させないために不調レベルをチェック
調査結果について、産業医として活躍する医師で健康科学アドバイザーの福田千晶氏は次のように解説している。
梅雨時期の不調は、もともと体質的に弱い箇所に出やすく、調査結果で多かった症状以外にも、「胃腸障害」「便秘」「下痢」「めまい」「むくみ」「微熱」などのさまざまな症状として表れるのが特徴だ。
特に今年前半は、記録的な寒波、インフルエンザの大流行、寒暖差の激しい春と、例年に比べて厳しい環境が続いた。この期間に体調を崩してしまった人は、天候の変化に敏感でダメージを受けやすいタイプといえる。
そうした人は、1年で最も天候ストレスが重なりやすい梅雨時期には、よりいっそうの注意が必要となるという。
福田氏によると、梅雨時期に不調を感じる人は症状を深刻化させないように、まずは不調レベルを自分自身でチェックすることが大切だ。
「梅雨だる」の主な症状は、▼だるさ、肩こり、目の疲れがひどい、▼顔や手足がむくみやすい、▼いつもより頭痛やめまいを感じることが多い、▼身体の冷えを感じることが多く、冷えがとれにくい、▼仕事やプライベートでいつもはがんばれることも、なんとなくやる気が起こらない――。2つ以上が該当する人は「注意モード」、4つ以上の人は「梅雨だる警報モード」だという。
「梅雨だる」に対策する方法
福田千晶氏が提案する、梅雨時期の「梅雨だる」に対策する方法は次の通り。
なお、「梅雨だる」とその対策法について、詳しくは「ウーマンウェルネス研究会」のホームページで解説されている。
1. 「片足歯みがき」でやる気スイッチオン朝の身支度中に気軽にできるストレッチを毎日続けることで、やる気モードに自然にスイッチが入り、1日のスタートを軽快に始めることができる。 2. 1食1温メニュー
梅雨時期は、さっぱりした冷たい食事をとりがちだが、それが胃腸の血管を収縮し、自律神経の乱れにつながる。1食の中で1品は温かい食べものや飲み物をメニューに組み込む。 3. ぬるめの炭酸入浴で自律神経コントロール
汗をかきやすい梅雨時期はシャワーだけで済ませずに、「入浴」すると効果的だ。入浴は身体を温め、疲労を軽減し、乱れがちな自律神経を整えてくれる。
炭酸ガス入りの入浴剤を入れた38~40℃のぬるめのお湯に約10分ゆったりと浸かることで温浴効果が高まり、血流が良くなる。短時間で身体を温めることができ、身体がほぐれて疲労を軽減してくれる。 4. 安眠スイッチは就寝前の目もと温め
目もとには自律神経を整える神経が集まっているため、就寝前に目もとを温めると、リラックスして副交感神経が優位になり、質の高い睡眠が得やすくなる。温めにはホットアイマスクや蒸しタオルを使う。 5. 外出にはレイングッズにプラス1
温度差のある空間をいったりきたりすると、汗を出したり、汗を止めて熱を作ったりと、体温調整をつかさどる自律神経の働きが乱れやすくなる。
梅雨の外出時は首もとや足もとを冷やさないように、着脱可能なファッションアイテムをプラスし、変化しやすい室温に対応する。 ウーマンウェルネス研究会: ウェルラボ
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