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経団連の「働き方改革事例集」掲載企業の取り組み② ~仕事と育児・介護の両立支援 編~

 日本経済団体連合会(経団連)がこのほど、『働き方改革事例集~働き方改革 toward Society 5.0~』を公表した。
 長時間労働の是正やテレワークなどの柔軟な働き方、技術を活用した生産性の確保などに取り組む会員企業の好事例を掲載している。
 事例集に掲載されている中から、「健康経営 健康推進活動の展開」に引き続き、今回は「仕事と育児 介護の両立支援」の好事例として、カゴメ株式会社と、セイコーエプソン株式会社のケースを紹介する。
働き方の柔軟性を高めてきたカゴメ株式会社
Fotolia_59121960_Subscription_Monthly_M.jpg  食品・飲料・青果物の製造販売、種苗を手がけるカゴメ株式会社は20時以降の残業の禁止、在宅勤務制度、選択制時差勤務制度の導入などで働き方改革を行い、総労働時間の減少に努めている。

 このうち在宅勤務制度については2017年4月に導入。本人の希望と上長の承認により、週2回・月8回まで在宅勤務を行うことができる。契約社員も含めた全社員が対象で、「育児や介護に限る」といった事由の制限は設けていない。

 また、2018年4月に導入した選択制時差勤務制度でも本人の希望と上長の承認があれば、始業時刻を7時30分から10時までの間、30分刻み(6シフト)で変更できる。

 ほかにも従来から半日有給休暇制度があり、これらを組み合わせて利用すれば働き方の柔軟性は大いに高まる。

 実際、従業員のアンケート結果では、このように自ら設計して働き方の自由度を高められる制度があることに対して、「『会社が自分たちを信じてくれている』と感じられ、自律性とモチベーションが高まる」といった声が寄せられているという。

 一方、工場部門は在宅勤務制度や選択制時差勤務制度の導入が難しい。そのため工場部門の働きやすさ向上を目的に、2018年4月から時間単位有給休暇制度を導入。これは2時間単位で年間5日まで取得できる有給休暇制度で、育児や介護、その他の所用など幅広い用途で利用されている。

 このような取り組みの結果、有給休暇取得率は2018年度までに80%を達成すると2016年に労使で妥結していたが、2017年度には目標とした70%を達成した。

 更なる取り組みとして、今年は5日間連続の有給休暇取得を奨励している。連続休暇を取得するためには、事前に周囲との調整が必要であることから、業務効率化に向けた活動としても位置付けられている。

社員の声を聞き、長く働ける環境づくりを進めるセイコーエプソン株式会社
Fotolia_120761456_Subscription_Monthly_M.jpg  情報関連機器、精密機器等の製造販売を手がけるセイコーエプソン株式会社は、労働時間の削減と生産性の向上に重点を置いて、働き方改革を推進している。

 同社はグローバルに事業を展開する一方で、本社所在地は長野県で本社勤務になった社員の多くは同県に転居することになる。人材採用においては地方特有の課題を抱えることから、女性活躍を中心としたダイバーシティを推進し、働きやすく、長く働ける環境整備に力を入れている。

 具体的には同じような悩みを持つ社員同士のネットワークを形成し、相談しあえる環境をつくるため経営層と女性社員との「対話会」を継続的に開催。これまでに「育児・介護期の在宅勤務」や「ベビーシッター補助・キッズスペースの設置」などが対話の成果として実現した。

 このうち「育児・介護期の在宅勤務」については、育児・介護経験のある社員からの要望を受けて2018年4月から導入。対象者は育児・介護事由で短時間勤務を行っている者のみとし、業務開始や終了時は上席にメール報告することで労働時間の管理や把握を厳格に行っている。

 また事業所内託児所についてニーズ調査したところ、「地域の保育園に通わせたい」や「社員のみの施設は気を使う」といった声があった。

 そのため常設の託児所より、子どもの病気など突発的な事由が発生したときに子どもを預けられる制度や施設にニーズが高いことが判明。結果、ベビーシッター費用を一定期間まで全額補助し、社宅の空きスペースで必要な日や時間帯だけ利用できるキッズスペースを設置した。

 これらの取り組みの結果、離職率は3%と低い水準にあるほか、女性の勤続年数は22.1年と、男性の勤続年数19.0年を上回っている(2018年3月20日現在)という。

『働き方改革事例集~働き方改革 toward Society 5.0~』(経団連)
[yoshioka]
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