ニュース

職場における化学物質管理の大転換―「法令準拠型」から「自律管理型」へ

「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」公布(5月31日)

 5月31日には「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」を公布。労働安全衛生規則などの一部が改正された。この改正により多くの項目が2023年4月または2024年4月に施行されることになった。

図3 新たな化学物質規制項目の施行期日
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)


労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について(2022年5月31日)概要資料P.8より

主な化学物質管理体系の見直し

(1)ばく露濃度の低減措置

 事業者は、労働者がリスクアセスメント対象物(労働安全衛生法57条の3でリスクアセスメントの実施が義務づけられている危険・有害物質)にばく露される程度を、以下の方法等で最小限にとどめるよう、2023年4月以降は義務づけられる。

  1. 代替物の使用
  2. 発散源を密閉する設備、局所排気装置または全体回帰装置の設置、稼働
  3. 作業方法の改善
  4. 有効な呼吸用防護具の使用
 また、2024年4月から「濃度基準値設定物質」に定められた物質のばく露程度は、基準値以下にすることが課せられる。

(2)保護具の使用

 皮膚や目に障害を与えることが明らかな化学物質を製造、または取り扱う従業員に対しては、以下の保護具を使用させることが2024年4月から求められる(努力義務は2023年4月から)。

  • 保護眼鏡
  • 不浸透性の保護衣
  • 保護手袋または履物等の適切な保護具
 また、健康障害を起こす可能性が否定できない化学物質を製造、取り扱う従業員に対しては、上記の保護具を使用させることが2023年4月以降、努力義務となる。

(3)衛生委員会での付議事項の追加

 衛生委員会の付議事項に、以下4項目が追加される。

  1. ばく露濃度の低減措置
  2. 「濃度基準値設定物質」のばく露程度を基準値以下にするための措置
  3. リスクアセスメント対象物に関する健康診断とその結果に基づく措置
  4. 「濃度基準値設定物質」について、基準値を超えてばく露したおそれのある従業員に実施した健康診断とその結果に基づく措置
 上記のうち①は2023年4月から、②~④は2024年4月から施行。

[保健指導リソースガイド編集部]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2025年06月10日
【アプリ活用で運動不足を解消】1日の歩数を増やすのに効果的 大阪府健康アプリの効果を8万人超で検証
2025年06月09日
【睡眠改善の最新情報】大人も子供も睡眠不足 スマホと専用アプリで睡眠を改善 良い睡眠をとるためのポイントは?
2025年06月09日
健康状態が良好で職場で働きがいがあると仕事のパフォーマンスが向上 労働者の健康を良好に維持する取り組みが必要
2025年06月09日
ヨガは肥満・メタボのある人の体重管理に役立つ ヨガは暑い夏にも涼しい部屋でできる ひざの痛みも軽減
2025年06月05日
【専門職向けアンケート】飲酒量低減・減酒に向けた酒類メーカーの取り組みについての意識調査(第2回)
2025年06月02日
【熱中症予防の最新情報】職場の熱中症対策に取り組む企業が増加 全国の熱中症搬送者数を予測するサイトを公開
2025年06月02日
【勤労者の長期病休を調査】長期病休の年齢にともなう変化は男女で異なる 産業保健では性差や年齢差を考慮した支援が必要
2025年06月02日
女性の月経不順リスクに職場の心身ストレスが影響 ストレスチェック活用により女性の健康を支援
2025年06月02日
自然とのふれあいがメンタルヘルスを改善 森が人間の健康とウェルビーイングを高める
2025年05月27日
スマホアプリを活用し社会人のメンタルヘルスを改善 スマホで学ぶ認知行動スキルがうつ状態を改善 睡眠改善を支援するアプリも
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶