ニュース

労働政策審議会安全衛生分科会「第14次労災防止計画案」提示
2種類の指標(数値目標)を設定

「転倒対策実施率」50%以上目指す

 次期計画では、重点事項として掲げるもののうち「労働者の作業行動に起因する労働災害」でのアウトプット指標として、転倒災害対策実施率50%以上があげられている。
 アウトカム指標では、転倒の年齢層別死傷年千人率を、22年と比較して男女ともに増加に歯止めを掛けることが盛り込まれている。

転倒災害に係る目標設定について
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

出典:第151回労働政策審議会安全衛生分科会(2022.12.14)資料より

 また「高年齢労働者の労働災害防止対策の推進」の項目では、労働災害発生率が高い60歳以上の高年齢労働者の増加に伴い、死傷者が右肩上がりで増加していることを踏まえ、「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)に基づく取り組み実施割合を50%以上にすることをあげ、60歳代以上の死傷年千人率の増加に歯止めをかけることなどが掲げられた。

 「メンタルヘルス」の項目では、アウトプット指標で、50人未満事業場のストレスチェック実施率50%以上などをあげ、自分の仕事や職業生活に関することで強い不安・悩み・ストレスがあるとする労働者の割合を、27年までに50%未満とすることが目標とされた。
 このように次期計画の特徴は、新たにアウトプット指標が盛り込まれている点だ。今後は事業者による保健活動の取り組みがよりいっそう重要となってくる。

アウトプット指標とアウトカム指標
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)


出典:第151回労働政策審議会安全衛生分科会(2022.12.14)資料より

参考資料

第151回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)(厚生労働省)
労働政策審議会 (安全衛生分科会)(厚生労働省)

保健指導リソースガイド オピニオン
高齢者の特性に配慮した「エイジフレンドリー職場」を目指して(日本産業衛生学会エイジマネジメント研究会)

 高年齢労働者の労働災害の発生には、加齢に伴う身体・精神機能の低下が影響を与えています。高年齢労働者の労働災害防止のためには、そうした視点を踏まえた労働災害発生のリスク低減対策がポイントとなっており、高齢者の特性に配慮した職場=エイジフレンドリー職場を目指すことが、企業に求められています。

 本連載では高年齢労働者と企業が直面している状況の解説と、「エイジフレンドリー職場」を実現するうえで留意しなければならないことを紹介します。

▶詳細はこちら

[保健指導リソースガイド編集部]
side_メルマガバナー

「産業保健」に関するニュース

2025年02月25日
【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
2025年02月25日
【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
2025年02月25日
ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
2025年02月25日
緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
2025年02月17日
働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
2025年02月17日
肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
2025年02月17日
中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
2025年02月17日
高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
2025年02月12日
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より
2025年02月10日
緑茶やコーヒーを飲む習慣は認知症リスクの低下と関連 朝にコーヒーを飲むと心血管疾患リスクも低下
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶