作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質を定める告示
厚生労働省は、昨年12月「労働安全衛生規則第577条の2第3項の規定に基づきがん原性がある物として厚生労働大臣が定めるもの」について告示を行った。
これは同省が昨年5月に「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」を公布し、その一環として作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質の対象を定めたもの。
がん原性物質の作業記録の保存は30年間
昨年、厚生労働省は2年間にわたる検討会の議論を経て、事業者が取り扱う化学物質管理に関して「法令準拠型」から「自律的管型」へと大きな方向転換を行った。
【参考】職場における化学物質管理の大転換―「法令準拠型」から「自律管理型」へ
5月31日には「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」を行い、労働安全衛生法に基づく新たな化学物質管理が定められた。その一つに、事業者は、厚生労働大臣が定める「がん原性物質」について、これら物質を製造し、または取り扱う業務に従事する労働者の作業記録等を30年間保存することが義務付けられた。
それを受け、厚労省は昨年12月26日、「労働安全衛生規則第577条の2第3項の規定に基づきがん原性がある物として厚生労働大臣が定めるもの」について告示を行った。今回の告示では、義務づけられた作業記録等の30年間保存が必要ながん原性物質の対象を定めている。
がん性物質とは
がん原性物質とは、ラットやマウスなどへ対象となる物質を投与し、長期毒性試験(がん原性試験)を行った結果、哺乳類にがんを生じさせることが判明した物質。
人に対する発がん性はまだ明らかとなっていない物質もあるが、労働者が長期間ばく露した場合、がんを生じる可能性が否定できないとされている。
厚労省では、「化学物質による健康障害防止指針(がん原性指針)」を公表し、対象となる物質やその取り扱いについてガイドラインを示している。

「産業保健」に関するニュース
- 2023年02月27日
- 毎日のウォーキングで女性の認知症を予防 活発な運動を1日30分増やすと認知症リスクは21%低下
- 2023年02月27日
- 「子宮頸がん(HPV)ワクチン」の安全性をあらためて支持 「副反応説」には科学的欠陥が 近畿大学
- 2023年02月24日
- 「難聴」の高齢者は認知症リスクが61%上昇 加齢性難聴は高齢者の3分の2に影響 適切なケアが重要
- 2023年02月20日
- 【サンプル提供】間食指導に♪糖類ゼロでおいしい甘さ「パルスイート® カロリーゼロ」&ヘルシーレシピ集
- 2023年02月20日
- コロナ禍で孤独を感じる人が増えている 孤独はうつ病や認知症のリスクを高める こうして孤独を解消
- 2023年02月20日
- 【新型コロナ】なぜ男性は女性よりも重症化しやすい? 後遺症は女性の方が多いという報告も
- 2023年02月20日
- 「良い睡眠」に心臓病・脳卒中・脂肪肝の予防効果 「運動」で睡眠を改善 とくに女性で高い効果
- 2023年02月20日
- 「認知症の前段階」が5分でわかる 早期発見し認知症を予防 「バランスWiiボード」を活用
- 2023年02月14日
- 新型コロナの後遺症は「健康的な生活スタイル」により減少 心理的・社会的なストレスも影響
- 2023年02月14日
- 【新型コロナ】施設での感染拡大を防ぐために 適切な換気で「エアロゾル感染」を予防 気流の確認と管理が必要