肥満・メタボの該当者割合が高いのは「建設業」 業態によって健康状態に大きな差が 健保連調査
健康保険組合連合会(健保連)が2022年11月に公表した「令和2年度業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査」によると、「肥満」及び「メタボリックシンドローム」に該当する人の割合は「建設業」が最多だった。
最も低い「繊維製品製造業」とは大きな開きがあり、業態によって健康状態に差があることが浮き彫りになった。
同調査は令和2年度の特定健診・特定保健指導データとレセプトデータから、業態別に被保険者の健康状態や服薬状況、メンタル系疾患の有病者割合を読み取ったもの。健康状態と服薬状況は特定健診の問診回答と検診での検査値をもとにしているため、40-74歳の被保険者が対象になっている。
特定健診データは、486組合の被保険者3,471,017人(男性2,472,537人、女性998,480人)分を用いた。メンタル系疾患の有病者割合は全年齢の被保険者を対象としている。
第一部「生活習慣」では食生活や飲酒、喫煙のほか、運動習慣や睡眠の状況を聞いた結果をまとめている。このうち飲酒日の1日あたりの飲酒量が3合以上と答えた人の割合は全体で5.1%。業態別では「電気・ガス・熱供給・水道業」が8.8%と最も高く、「印刷・同関連業」と「不動産業・物品賃貸業」がいずれも6.6%で続く。
一方、「医療・福祉」(3.0%)、「繊維製品製造業」(3.2%)、「教育・学習支援業」及び「複合サービス業」(いずれも3.4%)が低かった。男女別では、男性全体が6.2%、女性全体が1.9%だった。
また「現在、たばこを習慣的に吸っている」人の割合は、全体で27.5%。業態別では「木製品・家具等製造業」が35.7%で最も高く、「紙製品製造業」及び「運輸業」がいずれも34.6%、「印刷・同関連業」が34.3%と続く。一方、最も低いのは「教育・学習支援業」の17.5%で、「金融業・保険業」(17.7%)、「医療・福祉」(18.8%)も低い。
第二部「健康状態」では血圧や脂質、血糖などの検査項目で受診勧奨や保健指導判定の該当者などの割合などを調査。このうち「肥満」に該当する人の割合は全体の44.2%。業態別では「建設業」が52.5%と最多だった。 次いで「木製品・家具等製造業」が49.2%、「運輸業」が48.4%。一方、「繊維製品製造業」(27.7%)、「医療・福祉」(31.8%)、「教育・学習支援業」(35.6%)が低かった。
男女別に見ると女性全体の肥満者の割合は23.7%で、最多は飲食料品小売業の34.2%だった。
「メタボリックシンドローム」該当者は全体の17.3%。「建設業」(23.5%)、「運輸業」(21.0%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(19.5%)の順に高い。低いのは肥満の該当者と同様、「繊維製品製造業」(8.0%)、「医療・福祉」(10.5%)、「教育・学習支援業」(11.7%)だった。一方、「予備軍」の割合は全体の14.7%だった。
調査結果には、第三部で医療受診状況を掲載。第四部で業態・男女別に検査値と問診回答などをレーダーチャートで示し、それぞれの特徴を明らかにしている。
「令和2年度 業態別にみた被保険者の健康状態に関する調査」(健康保険組合連合会/令和4年11月)
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