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さんぽセンター利用の5割以上「健診結果の措置に関する説明力が向上」
-『令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書』-

事業場への効果 「健康に対する意識が向上」が6割

 センターを利用したことによる自身への効果については、半数以上が「健康診断結果の措置に関する説明力が向上」(54.5%)と回答している。次いで「労働者への健康教育での指導力が向上」(39.9%)、「事業者への産業保健対策についての説得力が向上」(23.9%)と続く。

 業種別では、金融業・保険業、複合サービス事業、公務では、「メンタルヘルスに関する助言・指導能力が向上」が4割以上と他業種より高い傾向がみられた。

 同様に、センターを利用したことによる事業場への効果を尋ねたところ「健康に対する意識が向上」が60.3%と特に高かった。これに次ぐのが「健康診断受診率が向上」の17.4%で、いかに高いかわかる。
 経年でみるとほとんどの項目で増加傾向だったが、特に「健康に対する意識が向上」と「治療と仕事の両立支援の取り組みの充実」は前年より5ポイント以上の増加となった。

 業種別では、「健康に対する意識が向上」が多くの業種で半数を超え、特に鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、複合サービス事業で7割以上となっている。

▼センターを利用したことによる事業場への効果
(画像をクリックすると、大きな画像が表示されます)

出典:令和4年度産業保健活動総合支援事業アウトカム調査報告書(2023.4.12)P.24より

 治療と仕事の両立支援の取り組み状況は、時間単位の年次有給休暇の取得、傷病休暇・病気休暇など「休暇制度の導入または工夫」が 42.4%と最も高く、次いで時差出勤制度や短時間勤務制度、在宅勤務、試し出勤務制度など「勤務制度の導入または工夫」(27.0%)、「相談窓口等の明確化」(20.2%)と続いている。経年的にみてもそれぞれ微増ではあるが増加傾向にある。

 平成26年度より産業保健3事業といわれる「産業保健推進センター事業」「地域産業保健事業」「メンタルヘルス対策支援事業」の一元化を進め、「産業保健総合支援センター」として活動を行ってきた。近年、同センターでは、「メンタルヘルス対策支援」とともに「治療と仕事の両立支援」の充実にも努めている。その結果が調査結果にも表れているようだ。

 同センターは、事業場で産業保健活動に関わる産業医や保健師などのほか、事業主や人事労務担当者なども対象に研修や相談にも対応している。産業保健分野の大きな事業場外資源だ。本報告書などを参考に働く人を支援するネットワークの一つとして活用してみてはいかがだろうか。

参考資料

令和4年度_産保活動総合支援事業アウトカム調査報告書(独立行政法人 労働者健康安全機構 勤労者医療・産業保健部産業保健課)
産業保健総合支援センター(さんぽセンター)(独立行政法人 労働者健康安全機構)

[保健指導リソースガイド編集部]
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