ニュース

「親子健康応援アプリ」を配信 子育て世代の大人も子供も「生涯を通じた健康づくり」 吹田市・循環器病研究センターなど

 大阪府吹田市は、国立循環器病研究センターなどの協力を得て、子供・子育て世代に対するICTを活用した健康増進に係る実証事業として、「親子健康応援アプリ"すいろぐ"」の配信を開始した。

 同アプリでは、健診結果や予防接種の記録の管理できる機能のほか、国立循環器病研究センター健診部が監修した「生活習慣チェックシート」も利用できる。

 保健指導で活用できる指導ツール「生涯健康支援10項目」を取り入れたもので、生涯を通じた健康づくりの基礎となる健やかな生活習慣の形成を支援するとしている。

子育て世代の大人も子供も「生涯を通じた健康づくり」

 大阪府吹田市は、国立循環器病研究センター、興和、日本セルフケア推進協議会と、四者協定を締結し、子供・子育て世代に対するICTを活用した健康増進に係る実証事業として、「親子健康応援アプリ"すいろぐ"」の配信を開始した。

 「親子健康応援アプリ"すいろぐ"」は、妊娠期から子育て期に活用できる、同市オリジナルのスマートフォン用アプリ。健診結果や予防接種の記録の管理や、子供の成長の記録、同市の子育て情報をチェックできる機能などがある。アプリの登録と利用は無料。

 国立循環器病研究センター健診部が監修した「生活習慣チェックシート」も搭載されている。生涯を通じた健康づくりの基礎となる健やかな生活習慣の形成を、子供の頃から支援するものとしている。

 「健康寿命のさらなる延伸をはかるうえで、生涯を通じた健康づくりの基礎となる健やかな生活習慣の形成について、子供の頃から取り組むことが重要です」と、同市ではコメントとしている。

 同市は2021年から、同センターなどとの共同研究として、乳幼児健診や学校健診などの情報を一体的に管理・分析することなど、子供の健康課題の見える化とデータにもとづく予防策などの開発に取り組んでいる。

 同アプリを通じて、共同研究により得られた知見などを活用し、健康寿命のさらなる延伸と健全な発達・成長をはかるための実証も計画している。

主な対象妊娠・出産から小学校卒業まで
健診記録乳幼児の発育は個人差が大きいですが、グラフで成長や発達の目安にできます。
  • 妊婦・乳幼児・学校健診結果の記録(グラフ化)
  • 身体発育曲線などの自動作成
  • 結果に対するコメント表示
※今後、健診結果などの自動連携機能を搭載予定。
予防接種赤ちゃんの予防接種のお知らせを受け取ることで、接種忘れを防げます。
  • 予防接種の予定管理、実績登録、プッシュ通知
生活習慣国立循環器病研究センター健診部監修の生活習慣チェックにより、日頃の生活習慣に合わせたアドバイスを受けられます。
  • 生活習慣チェックシート
  • 生活習慣に合わせた健康コメント表示
発育確認日々の子供の発育状況を記録しておくと、入園や入学など、子供のことを先生や周囲の人に紹介するときに便利です。
  • 発達チェックシート
  • サポートチェックシート
  • 結果に対するコメント表示
情報発信妊娠から入学までの子育て支援情報(妊娠や子育ての相談窓口、利用できる助成金、食生活とむし歯予防など)を簡単に確認できます。
  • 月齢などに合わせた情報発信(母子保健、子育て支援など)
利用料無料(通信料は自己負担)

親子健康応援アプリ"すいろぐ"の画面

新しい保健指導で用いる「生涯健康支援10項目」

 「これまで吹田研究という都市部地域住民を対象とした循環器病予防のための研究成果を上げてきております」と、国立循環器病研究センター健診部ではコメントしている。

 「今回、その集大成を市民に実装するために、心不全重症化予防事業を2020年に立ち上げました。そこでは『生涯健康支援10』という生活習慣改善のためのツールを開発しました。健康長寿を目指すための"循環器病の予防 鍵は10項目"として使用しています」。

 「生涯健康支援10」は、(1) 喫煙・受動喫煙を避ける、(2) 身体活動を増やす、(3) 過剰飲酒を避ける、(4) 揚げ物や甘い清涼飲料水を避ける、(5) 減塩、(6) 大豆製品を多く摂取する、(7) 食物繊維を十分に摂取する、(8) 野菜・果物を積極的に食べる、(9) 魚を習慣的に食べる、(10) 適正体重の維持の10項目からなる。

「生涯健康支援10項目」の避けるものと増やすもの

出典:国立循環器病研究センター、2022年

 「今回、子供を対象とした生活習慣チェックシートも開発し、生涯を通じた健康づくりを子供の頃から支援できるようにアプリに取り入れました。生活習慣チェックにより、日頃の生活習慣に合わせたアドバイスが受けられるようになっております。活用いただいて、親子の健やかな生活習慣の改善に役立ててください」としている。

 「健康・医療のまちづくりを進める吹田市の平均寿命、健康寿命は世界トップクラスにあります。次なる目標は、すべての世代のQOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活の質)の維持向上をはかり、誰もが自分らしく幸せに齢(よわい)を重ねることができる社会の実現です」と同市健康医療部健康まちづくり室では述べている。

親子健康応援アプリ"すいろぐ" (吹田市)
心不全重症化予防事業の新しい保健指導で用いる「生涯健康支援10項目」(国立循環器病研究センター)
吹田市健康医療部健康まちづくり室 (吹田市)
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2023年08月28日
極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
2023年08月28日
カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
2023年08月28日
わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
2023年08月28日
週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
2023年08月28日
高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
2023年08月21日
肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
2023年08月21日
朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
2023年08月21日
アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
2023年08月21日
ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
2023年08月21日
「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶