『健康日本21(第三次)』令和6(2024)年度から開始 期間は12年間
厚生労働省は4月25日、第53回厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会(以下、栄養部会)を開催。『健康日本21(第三次)』の厚生労働省告示案を承認するとともに、部会の下に推進専門委員会を設置し、「栄養・食生活」「身体活動・運動」及び「睡眠」の3分野のアクションプランについての検討会設置が了承された。
また、同部会では次期プランのビジョンと方向性も提示され、これらの基本的な枠組み・考え方に基づき具体的なアクションプラン策定などの検討が進められることになる。
編集部註:本記事は5月中旬時点で公表された情報をもとに制作した記事です。5月31日付で、厚生労働省より「健康日本 21(第三次)」を推進する上での基本方針が公表されていますので、併せてご確認いただければ幸いです。
【報道発表資料】「健康日本 21(第三次)」を推進する上での基本方針を公表します(厚生労働省)
厚生労働省では、生活習慣病やその原因となる生活習慣の改善等に関する課題についての目標を選定し、国民が主体的に取り組める新たな国民健康づくり対策として、平成12(2000)年度から『21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)』を推進している。
平成25(2013)年4月からは、その第2期目として「全ての国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」を掲げ、『健康日本21(第二次)』が開始された。「健康寿命の延伸と健康格差の縮小」「健康を支え、守るための社会環境の整備」など5つの基本方針を定め、53項目の目標を設定。昨年10月には、第二次の最終評価が行われ、報告書が取りまとめられた。
この最終報告を踏まえ、栄養部会では次期健康プラン策定へ向け、検討が進められてきた。
「推進専門委員会」設置 目標やアクションプラン策定へ
4月25日に開催された同部会において、『健康日本21(第三次)』の厚労省告示案を承認。同時に部会の下に「推進専門委員会」を設置し、『健康日本21(第三次)』で掲げる目標項目の設定やアクションプランの策定、その活用方法について検討を行うことが了承された。
これまでの『健康日本21』 の成果として、基本的な法制度の整備や仕組みの構築、自治体、保険者、企業、教育機関、民間団体など多様な主体による予防・健康づくり、データヘルス・ICTの利活用、社会環境整備、ナッジやインセンティブといった、当初はなかった新しい要素の取り込みがあった。こうした諸活動の成果によって、健康寿命は着実に延伸してきた。
一方で、第二次の最終評価において下記の課題が指摘された。
- 一部の指標、特に一次予防に関連する指標が悪化している
- 全体としては改善していても、一部の性・年齢階級別では悪化している指標がある
- 健康増進に関連するデータの見える化・活用が不十分である
- PDCAサイクルの推進が国・自治体とも不十分である
加えて、次期計画期間では、次のような社会変化が予想される。
- 少子化・高齢化がさらに進み、総人口・生産年齢人口が減少し、独居世帯が増加する
- 女性の社会進出、労働移動の円滑化、仕事と育児・介護との両立や多様な働き方の広まり、高齢者の就労拡大などを通じ社会の多様化がさらに進む
- あらゆる分野でデジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する
- 次なる新興感染症も見据えた新しい生活様式への対応が進む


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