働き盛りの「AYA世代」のがん、女性が7割超
―院内がん登録における小児・AYA集計報告公表
国立成育医療研究センターと国立がん研究センターは、昨年11月に2018-19年の小児・AYA世代の院内がん登録データの集計結果を公表した。
15歳以上40歳未満のAYA世代では、女性の割合が7割を超え、乳癌や子宮頸部・子宮癌の割合が高いことがわかった。
小児・AYA世代のがんに特化して分析
小児・AYA(Adolescent and Young Adult:思春期・若年成人)世代のがんに特化した集計・分析は2019年に続き2回目。
今回の報告は、2018年1月1日から2019年12月31日までに院内がん登録を実施した860施設で、新規に診断された0~39歳の患者のデータを分析したもの。小児がんは483施設4,688例、AYA世代のがんは860施設5万8,062例だった。
なお、小児がんの分類は国際小児がん分類第3版/WHO 2008改訂版に基づいて行われ、AYA世代のがんはAYA Site Recode/WHO 2008改訂版に基づいて分類された。
20歳以降に女性の割合が増加
対象症例の内訳を男女別に見ると、小児がんは男児が54.5%とやや多く、AYA世代のがんでは74.8%を女性が占めていた。報告では「AYA世代のがんでは、男性、女性別にみると、15歳~20歳未満では患者数にほぼ差はありませんが、20歳以上では年齢階級が上がるとともに女性の割合が増加していました」とAYA世代のがんの特徴をあげている。
小児がんは白血病が最も多い
各がん種の割合は、小児がんでは白血病が30.4%と最も多く、脳腫瘍(23.0%)、リンパ腫(9.8%)と続き、AYA世代のがんでは癌腫(37.8%)、脳・脊髄腫瘍(4.9%)、胚細胞性他(3.6%)が上位3位を占めていた。
AYA世代は乳癌と子宮頸部・子宮癌が多い
AYA世代のがんで癌腫と分類された2万1926例の内訳として多かったのは、乳癌(26.5%)、子宮頸部・子宮癌(19.7%)、甲状腺癌(14.3%)で、男性では結腸・直腸癌、甲状腺癌が多く、女性は乳癌と子宮頸部・子宮癌が多かった。
また、AYA世代のがんでは、AYA Site Recodeに該当する分類が存在しない、上皮内癌などの「変換不能例」が41.4%含まれていた。そこで、上皮内癌を癌腫に加味して再分類を行ったところ、全体の77.9%を癌腫が占め、そのうち子宮頸癌が50.3%、乳癌が15.3%だった。


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