健保組合の2021年度医療費は、昨年比9.1%増
―コロナ禍前に比べると3.9%増
コロナ感染症対策が医療費抑制のヒントにも
3密(密閉、密集、密接)回避、マスク着用、アルコールによる手指消毒の徹底といったコロナ感染症対策が、呼吸器系感染症疾患減少の大きな役割を果たしていたといわれている。また、外来では軽症で受診するまでは必要ではなかった医療費が抑えられていた。つまり「受療行動の適正化」にもながった可能性も否定できない。
もちろん、過度な「受診控え」はがんなどの病気の見落としや、症状の悪化につながるという問題もあり、必要な医療まで控えるということではない。
現在求められているのは、一次予防に取り組み、軽い症状の場合は受診が必要かどうかを各自で考えてみるということ、例えば家で休む、もしくは市販薬のセルフメディケーションで対応するなどだ。
マスク着用は個人の判断にゆだねられた。しかしコロナ禍で、手指の消毒を徹底したり、体調が悪い時は外出を控えたりするといった、基本的な感染症対策を国民の多くが身に着けた。
これを今後も継続し、一人ひとりが本当に必要なタイミングで医療サービスを受ける「受療行動の適正化」を図っていけば、医療費抑制につながるかもしれない。
参考資料
統計データ(健診・医療費統計):加入者の健康・医療に関する調査(健康保険組合連合会)
「令和3年度 医療費の動向」を公表します~概算医療費の年度集計結果~(厚生労働省)
新型コロナ禍の患者数推移 第7波までに外来患者回復傾向も、コロナ前には戻らず(メディカル・データ・ビジョン)


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