2022年「保健師の活動基盤に関する基礎調査」結果公表「業務の複雑・困難化」「連携体制の構築・強化」が取り組み課題
産業領域での3大業務は前回と変化なし「各種健康診断と事後措置支援」が最多
産業領域に従事する保健師のうち「最も時間をかけている業務」または「それに準ずる業務」をみると、「各種健康診断と事後措置支援」(63.6%)が最も多く、次いで「メンタルヘルス対策」(38.2%)、「特定健診・特定保健指導」(26.1%)であった。
これら3つの業務は、順位が入れ替わってはいるものの前回調査と同様であり、引き続き産業領域で働く保健師が時間をかけている業務であることがうかがえる。
所属組織別で上位の業務をみると、医療保険者の産業保健師は「特定健診・特定保健指導等の生活指導」(71.7%)、「各種健康診断と事後措置支援」(43.4%)、「生活習慣病対策(喫煙・睡眠含む)」(39.8%)。
企業・事業所では「各種健康診断と事後措置支援」(68.5%)、「メンタルヘルス対策」(44.8%)、「職場復帰支援」(24.7%)。健(検)診センター・労働衛生機関では「各種健康診断と事後措置支援」(60.0%)、「特定健診・特定保健指導等の保健指導」(58.5%)、「生活習慣病対策(喫煙・睡眠含む)」(16.9%)という結果であった。
また、報告書では「産業領域の保健師は、他の領域に比べて非正規雇用の者が多かった」と付記している。この点は産業領域保健師の特徴を示しているようだ。
産業領域では「健康危機管理に関する計画・指針・マニュアル等の策定」「業務のデジタル化」が上位に
「有事の際の体制を整備するために、今後必要と考える取り組み」の質問に対して、保健師全体の上位の回答は「緊急時に必要な人員の確保・活用のための体制づくり」(46.6%)、「保健師の増員」(31.0%)だった。
だが、産業領域に絞ってみてみると、「健康危機管理に関する計画・指針・マニュアル等の策定」(38.6%)が最も多く、次いで「業務のデジタル化」(33.2%)、「緊急時に必要な人員の確保・活用のための体制づくり」(30.3%)と続いていた。
所属組織別にみると、医療保険者では「所属組織内における連携強化(部署間連携等)」(35.5%)、企業・事業所では「健康危機管理に関する計画・指針・マニュアル等の策定」(38.9%)、健(検)診センター・労働衛生機関では「緊急時に必要な人員の確保・活用のための体制づくり」(45.6%)が最も多かった。産業領域においては、有事に備えてこれらの取り組みに注力していくことが重要といえる。
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