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フリーランス等も、労働安全衛生法の一部規定の適用対象に
「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」

 厚生労働省は、7月31日に「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」を開催し、「これまでの議論の整理(報告書素案)」を提示。
 フリーランスや個人事業者らに「休業4日以上の死傷災害」が発生した場合、仕事を発注したり現場を管理したりする企業などに労働基準監督署への報告を義務づける方向性が示された。

 個人で仕事を請け負う個人事業者等についても、労働安全衛生法の一部規定の適用対象に加えることなどが盛り込まれ、「労働者」以外の個人事業者にも拡大されることになる。

「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」の設置

 労働安全衛生法(以下、安衛法)は、職場における労働者の安全と健康の確保を目的としている。これまでこの法律では、保護すべき対象を事業者に雇用されている「労働者」と位置付け、運用してきた。
 しかし、今年4月の労働安全衛生法に基づく省令改正で、作業を請け負わせるいわゆる「一人親方」など、同じ場所で作業を行う「労働者」以外の人に対しても、労働者と同等の保護が図られるよう新たに一定の措置を実施することが事業者に義務付けられた。

 これは一昨年の「建設アスベスト訴訟」で最高裁判決が出され、石綿の規制根拠である安衛法第22条が「労働者だけでなく、同じ場所で働く労働者でない者も保護する趣旨」と判断されたことによるもの。
 しかし、争点となった条文以外の規制についても同様の問題が含まれており、改正省令の検討が行われた「労働政策審議会安全衛生分科会」でも言及され、別途検討の場を設けることとなった。

 これを受けて昨年5月に「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」が設置され、現在まで13回にわたって開催されてきた。

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出典:第13回資料「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」(2023.7.28)より

多発する個人事業者等の業務災害に対して

 これまで安衛法の対象とされてこなかった個人事業者、中小企業事業主等についても、業務上の災害が多く発生している状況にあることは国も認識していた。だが、実態はなかなか把握しきれていなかった。
 また、働き方の多様化を受け、今年4月には報酬支払や募集情報の的確表示、ハラスメント対策などを定めた「フリーランス新法」も成立。それに伴いフリーランスや個人事業者などの健康安全の確保についての取り扱い方が課題となってきた。

 そこで検討会では、労働者以外の者も含めた個人事業者等に関する業務上の災害の実態把握などを踏まえ、災害防止や健康確保のために有効と考えられる安全衛生対策のあり方について議論を重ねてきた。

[保健指導リソースガイド編集部]