「健康日本21(第三次)」アクションプラン策定へ始動
実効性を高めるための情報発信のあり方・好事例公開を検討
地域保健健康増進栄養部会に「推進専門委員会」設置、アクションプラン策定へ
さらに厚労省は今年4月に「より実効性をもつ取組の推進(Implementation)」に重点を置く取り組みを進めるため、厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会の下に「健康日本21(第三次)推進専門委員会」を新設し、目標達成のための具体的な方策(アクションプラン)を策定することを決めた。
これまでも目標や施策の概要についての記載はあったが、具体的にどのように現場で取り組めばよいかは提示されていなかった。その反省に立ち、プランを立案するだけでなく、実効性のあるアクションプランを策定することとした。国民健康づくり運動においてアクションプランを策定するのは初めて。
10月には第1回目の「推進専門委員会」が開催され、来年度からスタートを切る健康日本21(第三次)へ向け、アクションプランの検討が動き始めた。
職域との連携も重要なポイント
厚労省から推進専門委員会に審議・検討を求められたものは、大きく2つある。
1つ目が、情報発信のあり方などについての検討。具体的には、厚労省が現在取り組んでいる「スマート・ライフ・プロジェクトのあり方」「国民を対象にした健康づくりに関する情報発信のあり方」「自治体等の健康づくり担当者を対象とした健康づくり」について。
2つ目が、健康づくり体制(仕組み)や個別領域を含め、自治体が健康づくりを進めるうえで参考となる事項について、どのような事例を好事例としてウェブサイトで公開すればよいかの検討。
また、健康づくりには、健康増進法に基づく都道府県及び市町村だけでなく、医療保険者、介護保険分野、職域などにおけるさまざまな取り組みが含まれる。これらの分野・目標については、関係部局・省庁における取り組みを紹介してもらいつつ、各自治体で実施可能な「連携方策」の検討が求められた。
各領域の個別の取り組みについて、「健康日本21(第三次)の推進の方向性(イメージ)」をまとめたものが下図である。
「健康日本21」は、ともすれば地域保健に重点が置かれているようにみられがちだが、委員からは「働く世代の健康づくりは大変重要な課題となっており、職域の保険者の参画や連携の推進がますます求められる」という意見も出され、職域との連携が重要なポイントとなっている。
今回の厚労省からの資料提示や説明を受け、第1回目の推進専門委員会では、「アクションプランから好事例の収集について」「データの分析と評価、データ連携について」「他部局との連携推進体制について」「国民への情報発信について」という4点に絞り、議論が交わされた。
好事例の収集・提供などでは、委員から「各自治体や企業によって、マンパワーや予算に限りがあり、身の丈に合った『これならば、うちでも頑張ればできる』というような好事例を提示できるとよいのではないか」という意見が出され、他の委員からも賛同の声が上がった。
第2回の推進専門委員会では「スマート・ライフ・プロジェクトのあり方」などの検討を予定している。
参考資料
厚生科学審議会(健康日本21(第三次)推進専門委員会)
健康日本21(第三次)(厚生労働省)
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