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「肥満症対策に求められる6つの提言」を発表 特定健診・特定保健指導の成果を評価 肥満症対策推進プロジェクト
2024年05月20日

日本医療政策機構は、「肥満症対策推進プロジェクト」を立ち上げ、「肥満症対策に求められる6つの提言」を発表した。
「肥満予防もしくは、肥満症にいたらないようにするための予防を目的とした対策」「肥満症の人に対する治療のあり方や社会的支援・対策」の2つの切り口でまとめてある。
肥満・肥満症に社会全体で対策
日本医療政策機構は、「肥満症対策推進プロジェクト」を立ち上げ、「肥満症対策に求められる6つの提言」を発表した。 提言は、肥満症の症状の重さや合併症はさまざまであり、肥満症対策は患者・当事者に対する政策推進だけでなく、肥満・肥満症を未然に防ぐことや、医療を超えた社会全体で包括的に対策を検討する必要があるとして、「肥満予防もしくは、肥満症にいたらないようにするための予防を目的とした対策」「肥満症の人に対する治療のあり方や社会的支援・対策」の2つの切り口でまとめてある。肥満症対策に求められる6つの提言
行政機関と産業界が連携し、健康的な生活習慣に関する教育と健康リスクの少ない社会づくりを両輪として、肥満症を含めた生活習慣病の一次予防を強化 | |
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ライフコースにそって、各年代に合った健康増進、肥満症を含む生活習慣病予防に向けた教育・啓発を行う。行政機関と産業界の連携にもとづき、企業へインセンティブが働く産業構造を構築する。 |
特定健康診査・特定保健指導におけるデータヘルスの推進と実効性の強化を通じた、疾病予防効果の高い二次予防政策を実現する | |
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健診を通して、特定保健指導だけにとどまらず、医療的介入も視野に入れた幅広い階層化を行い、段階ごとに適切な介入を提供する。健診結果を効果的にフィードバックするシステムや、保健医療の連携体制をさらに強化。 |
肥満および肥満症の患者へ適切な介入を行うべく、地域において産官学民が連携の上、肥満症当事者の課題やニーズに寄り添った医療提供体制および支援体制を構築 | |
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肥満症患者の状態(BMI、基礎疾患の有無)に応じた診療方法に関するガイドラインを、専門領域横断的に定義のうえ、医療者へ広く頒布・啓発する。かかりつけ医が肥満症治療に関わるインセンティブを設計する。 |
高度肥満症の患者に集学的治療が行われるよう医療提供体制の整備と全国均てん化を推進 | |
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集学的治療の提供の基盤として、多診療科・多職種の連携体制を強化する。専門的かつ全人的な肥満症治療体制の整備とそのためのインセンティブ設計をする。 |
肥満症政策推進および医療提供体制の充実・均てん化のために、肥満症を含む慢性疾患対策への効果に関するエビデンスを創出すべき | |
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肥満症・生活習慣病対策の効果や肥満症治療がもたらす社会的コスト抑制の効果に関するエビデンスを創出する。生涯にわたるデータを収集・集約し、一元的なデータ基盤を構築する。 |
偏ったボディイメージを是とする風潮や、肥満への自己責任論から脱却するとともに、医学的な病態としての肥満や肥満症に関する理解を醸成し、適時適切な医療の妨げとなるスティグマを解消すべき | |
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肥満には生活習慣の他に遺伝的素因ならびに健康の社会的決定要因の影響も大きいことを周知し、自己責任論から脱却する。社会的スティグマや肥満症当事者がもつセルフスティグマを解消する。 |
肥満・肥満症対策のフェーズに沿った求められる6つの提言

関連情報

個人のニーズに応じた特定健診・保健指導を受けられるよう連携と一体化を促進
このうち、特定健康診査・特定保健指導については、限られた資源を効果的に活用できるよう、健診を通して、保健指導だけに留まらず、医療的介入も視野に入れた幅広い階層化を行い、段階ごとに適切な介入を提供するべきとしている。 医療的介入が必要な肥満症患者が迅速に適切な治療を受けられるよう、健診結果を効果的にフィードバックするシステムや、保健医療の連携体制をさらに強化し、個人のニーズに応じた特定健診・保健指導を受けられるよう、複数の健診(検診)実施主体の連携を促進するとともに、一体的な健診制度を構築するべきとしている。 健診でのデータヘルスを推進し、データにもとづいた評価を用いて、より効果的な特定健診・保健指導を実施できるようにすることも必要としている。GLP-1受容体作動薬の「やせ薬」として利用に懸念
これまで2型糖尿病治療薬として承認されてきた「GLP-1受容体作動薬」は、同様の成分と作用をもつ薬剤が、新たに肥満症治療薬として日本でも2024年2月に販売が開始された。 一方で、GLP-1受容体作動薬を美容やダイエットを目的の「やせ薬」として使用推奨していると見受けられる広告等がインターネット上に掲載されている。 2024年3月現在、日本で肥満症患者にGLP-1受容体作動薬が適応される場合、一定の要件を満たした施設・医師によってのみ保険診療で処方される仕組みになっているが、今後、糖尿病治療薬の適応外使用の事例のように、肥満症治療薬の適応外使用が自由診療を通じて広がる可能性や、薬剤使用にともなう副作用と健康被害の増加が懸念されている。 また、2023年にGLP-1受容体作動薬を含む糖尿病治療薬の需要が高まり、国内でも一時期、供給不足となった。 同機構では、「供給不足の問題も発生しているため、適応外使用を防止し、治療薬を真に必要としている糖尿病ならびに肥満症の患者へ安定的に薬剤が安定して届けられるような仕組みが今後期待される」と述べている。 日本医療政策機構 (HGPI)掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


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