「新しい認知症観」普及へ 希望を持って自分らしく暮らせる社会に
『認知症施策推進基本計画』閣議決定
令和4年の認知症と軽度認知障害をあわせると1,000万人超え
政府がこうした共生社会の実現を急ぐ背景には、急速な高齢化に伴い、認知症者が急増することが予想されているからだ。
厚生労働省研究班の推計では、令和4(2022)年の認知症高齢者は443.2万人。もの忘れなどの軽度認知機能障害が認められるが、日常生活は自立しているため認知症とは診断されない、認知症前段階の「軽度認知障害(MCI=Mild Cognitive Impairment)」は558.5万人。両者をあわせると1,000万人を超えている。
これは65歳以上の高齢者の27.8%にあたり、およそ3.6人に1人は認知症またはMCIという現状だ。また、若年性認知症は約3.6万人で、18~64歳人口10万人当たり約50.9人と推計されている。
今後、労働の場でも高年齢労働者が増えることが確実であり、認知症は憂慮される問題といえる。最近では健康診断に「MCIスクリーニング検査」を導入する企業も増加しているという。
日本の人口減少と少子高齢化がさらに進むなか、将来、日本のさまざまな社会問題が顕著に表面化するといわれる「2040年問題」にあたる令和22(2040)年をみると、推計で認知症者高齢者数は584.2万人、MCI高齢者数は612.8万人になる。これは高齢者の約3.3人に1人が、認知症またはMCIになるという計算だ。
基本計画にもあるように、年齢にかかわらず、自分自身やその家族、地域の友人、職場の同僚や顧客など、今や誰もが認知症になり得るという状況になってきた。
一人ひとりが認知症を自分ごととして理解し、自身やその家族が認知症であることを周囲に伝え、自分らしい暮らしを続けていくためにはどうするべきか、考える時代が来ているといえよう。
参考資料
認知症施策(厚生労働省)
認知症施策推進基本計画(厚生労働省)
認知症施策推進基本計画の概要(厚生労働省)
認知症施策推進関係者会議(内閣府)
共生社会の実現を推進するための認知症基本法
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