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スマホをいじる時間を1時間減らすだけでメンタルヘルスは改善 仕事への満足度も向上 スマホ依存は孤独や不安を高める?
2024年10月15日

スマートフォンを操作している時間を1日に1時間減らすだけで、メンタルヘルスに良い効果があらわれ、仕事の能率と生産性も高められるという実験結果が発表された。
スマートフォンへの依存度が高い人は、孤独感やうつ症状が強くなりやすいという調査結果も報告されている。
「仕事に関係のないスクリーンタイムを意識的にかつ意図的に減らし、身体活動を増やすことで、従業員の仕事への満足度とメンタルヘルスを改善できる可能性があります」と、研究者は述べている。
スマホ操作を1時間減らし運動時間を増やすとメンタルヘルスは改善
スマートフォンなどを見ている時間を1日に1時間減らすだけで、メンタルヘルスに良い効果があらわれ、仕事の能率と生産性を高められることが、ドイツのルール大学がさまざまな専門分野と職場の従業員278人を対象に実施した実験で示された。 ドイツの調査では、スマートフォンやモバイル端末などを見ている時間の平均は、1日に3時間15分に上るという。 「スマートフォンなどを操作しているスクリーンタイムを、1日に1時間減らすだけで、メンタルヘルスに良い効果があらわれ、仕事でもより幸福感を感じやすくなり、やる気を引き出すのにも役立つことが示されました」と、同大学メンタルヘルス研究・治療センターのジュリア ブライロフスカヤ氏は言う。 関連情報スマホにさわらないようにすると仕事の過負荷やストレスは大幅に減少
研究グループは参加者を、(1) 1週間にわたり私的なスマートフォンやモバイル端末などの使用を1日に1時間減らす群(スマートフォン群)、(2) 運動や身体活動の時間を毎日30分増やす群(スポーツ群)、(3) (1)と(2)の両方を実行する群(併用群)、(4) どちらも行わず、日課をまったく変えない群(対照群)の4つの群に分けた。 参加者全員に、1週間の介入の前と後、期間が終了した2週間後に、オンラインでアンケートに答えてもらい、仕事とメンタルヘルスの健康状態の変化を調べた。 その結果、どちらの介入も何もしないのに比べ、うつ症状を軽減し、コントロール感を高める効果が確認されたが、とくにスマートフォン群と併用群は、仕事への満足度とモチベーションが大幅に向上し、ワークライフバランスやメンタルヘルスの改善もみられた。 さらに、スマートフォンなどのスクリーンタイムを1日に1時間減らすことで、仕事の過負荷やスマートフォンの不適切な使用によるストレスなども大幅に軽減されることが分かった。シンプルで取り組みやすくコスト効率も優れた解決策に
「仕事に関係のないスクリーンタイムを意識的にかつ意図的に減らし、身体活動を増やすことで、従業員の仕事への満足度とメンタルヘルスを改善できる可能性があることが示されました」と、ブライロフスカヤ氏は言う。 「今回の研究結果は、企業の生産性を改善するうえで重要なもので、従業員の職務上の満足度とモチベーションを向上させるために苦労している管理職にとってとくに興味深いものです」。 「従業員のメンタルヘルスとワークライフバランスを改善するための、シンプルで取り組みやすく、コスト効率も優れた解決策になる可能性があります」としている。スマホ依存の高い人はうつ症状や孤独感が強い傾向が
依存を減らすとメンタルヘルスは改善?
依存を減らすとメンタルヘルスは改善?

Less smartphone and more physical activity for a better work satisfaction, motivation, work-life balance, and mental health: An experimental intervention study (Acta Psychologica 2024年10月)
Which Comes First: Smartphone Dependency or Depression? (アリゾナ大学 2019年9月30日)
Short-Term Longitudinal Relationships Between Smartphone Use/Dependency and Psychological Well-Being Among Late Adolescents (Journal of Adolescent Health, 2019年11月)
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