オピニオン/保健指導あれこれ
がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~
No.8 幸せの感度を上げる~情けは人の為ならず~
パナソニック健康保険組合 保健師
2019年04月18日
私を助けてくれるということ

笑顔のちから
Aさんはすらっとした長身でスーツを着こなし、皆から慕われていました。がんと向き合う中で「地獄でも笑う」と言われ、どんな時も笑いとばし、ひるむことなく前に進まれていました。 声を失った研究者の Bさんは、悔し涙を流されていました。しかし食道発声で見事に職場復帰され、ご自分の研究を続けられ退職後も活躍されています。 Cさんは手術前に相談に来られました。最初はしょんぼりされていましたが、「がんをやっつけるためにNK細胞を増やしましょう。そのためには笑いが大切ですよ。」と話すと、「お笑いはあまり好きじゃないな。」と言われました。「じゃあ夢中になれるものはないですか。全て忘れて没頭できるような。細胞が喜ぶようなものですよ。」と、Cさんと一緒に「夢中になれること」を探しました。 本が大好きなCさんは、たくさん本を持って手術に臨まれました。退院後、健康管理室にやってこられ、「ありがとう。病室の皆は暗い顔をしていたけど、僕は本を読むのが忙しくてね。 いやー良かった。充実していたよ。」と、にこにこの笑顔で言われました。前向きな言葉や姿勢をもらっていた

「がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~」もくじ
- No.1 保健師として・患者として振り返る「乳がん経験」
- No.2 検診~がん告知 「胸にできものがあるようです」
- No.3 「がんが見つかったこと」を伝える
- No.4 病気を受け入れる
- No.5 病気を受け入れる 乳腺外科受診 精査~結果説明
- No.6 一流の保健師を目指して
- No.7 職場に話す~千羽鶴に込められた想い~
- No.8 幸せの感度を上げる~情けは人の為ならず~
- No.9 勇気づけられた言葉~祈っています~
- No.10 治療に向けての準備~治療中もおしゃれに~
- No.11 治療に向けての準備~サポーターを見つける~
- No.12 手術、抗がん剤治療、乳房再建に向けての準備
- No.13 「脱落した人はいない」
- No.14 治療を乗り越えるために( 1 )
- No.14 治療を乗り越えるために( 2 )
- No.15 乳がん治療を振り返って思うこと~寄り添い背中を押すことができる医療職~
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