オピニオン/保健指導あれこれ
がん治療と仕事の「両立支援」を考える~産業保健師の乳がん経験~

No.10 治療に向けての準備~治療中もおしゃれに~

パナソニック健康保険組合 保健師
横山 淳子

脱毛への不安

osyare1.jpg  検診を受けてから約2か月後に、手術を含め5日間の入院と退院後2週間の自宅療養、その1か月後からは約半年間の抗がん剤治療を受けました。

 できれば今までと変わらない生活をしたいと思っていましたので、特に脱毛のことが気になりました。「勤務中に突然髪の毛が抜けたらどうしようか、かつらはいつ着けるのだろうか、かつらがばれたらどうしようか。」とあれこれ心配になっていました。

 そんな気持ちを察してか上司(産業医)が「勉強にもなるだろうからアピアランス支援センターに見学に行ってみたら。」と勧めてくれ、通院していなくとも利用できる職場近くの病院のアピアランス支援センターに見学に行きました。

 行ってみて感じたことは、今まで以上に生活を輝きあるものにするためのサポート体制があるということでした。アピアランス支援センター内には、たくさんのかつらや部分かつら、帽子、化粧品などが置いてあり、専門の担当者がかつらの選び方や化粧の仕方のワンポイントアドバイスをしてくれました。

帽子の作り方

check1.jpg  アピアランス支援センター内では、実際にかつらをかぶることができ、見学者同士で「こっちの方が似合うわよ」ときゃっきゃっと女子高生に戻ったかのように盛り上がりました。「今のかつらはよほどの強風でない限り脱げませんよ。」と言われ、皆一様に安心しました。

 ただし眉毛やまつ毛が抜けるため、眉毛の位置だけは覚えておくこと、生気のない顔の印象を補うためにメガネの活用や化粧法を教えてもらい、今まで以上におしゃれになることを教わりました。某有名かつらメーカーはもちろんですが、抗がん剤治療中から治療後の外見ケアをしてくれる美容サロンがたくさんあることを知り、驚きました。

 気になっていた脱毛のタイミングも、担当者から抗がん剤の種類を聞かれ、10日目くらいから抜け出し3日くらいで全部抜けると教えてもらいました。また役に立つからと帽子の作り方を教わりました。

 使い捨ての脱毛時用のヘアキャップもあるのですが、実際に作ってみると、地肌が敏感になる脱毛時にはジャージ素材がとても気持ち良く、何回も洗濯できるため清潔で、何枚か作っておくと便利でした。髪の毛が生えそろって来るまでは頭が冷えますので長い間使うことができました。

 また何人かの方にもプレゼントしましたが、とても喜んでもらえました。

bousi1.png bousi02.png ●治療が始まる前に準備をする
 ・治療中、外見をどんなふうにして過ごしたいか

●アピアランス支援センター
 ・脱毛への準備 
 ・脱毛のタイミング
 ・かつらの選び方を教わる
 ・脱毛対策として眉毛の位置を覚えてく、メガネの活用
 ・治療中もおしゃれに

●外見ケアのためのサロンがあること

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