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【新型コロナ】「自然」の豊かな環境でストレスを解消 心の元気を保つために「行動の活性化」を

 新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、多くの人がストレスの強い状況にさらされている。
 屋外に出て、自然にふれることで、ストレス解消の効果を得られるという研究が、相次いで報告されている。
 10分間という短い時間でも、自然の豊かな場所をウォーキングするだけで、心と体に良い影響があらわれるという。
 健康的な食事、十分な睡眠、適度な運動などの習慣を保つことは、免疫力や心の健康の維持を高めるために重要だ。
 さらに、心の元気を保つために「行動の活性化」をはかることが重要となる。
心の元気を保つために「行動の活性化」を
 新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、これまで通りの日常生活をおくるのが難しくなり、多くの人がストレスの強い状況にさらされている。

 毎日繰り返される新型コロナウイルス感染症についてニュースや、感染への恐怖、外出自粛、日常での行動の制限、経済的な心配など、日常で経験する些細な出来事もストレスの原因になる。

 ストレスを感じる状況が続き、日々の生活がワンパターンになりがちで、「なんとなく、心の元気がなくなってきた」という方も多いのではないだろうか。

 このような状況では、「行動の活性化」をはかり、心の元気を保つことが大切になる。楽しさや達成感につながる活動を増やすことで、心の元気を保つのに役立つ。
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「3つの密にあたたらない活動」は、心の健康を保つために必要
 近所の緑地で木々に接したり、自然な豊かな場所で過ごすことが、メンタルヘルスに好ましい影響を及ぼすことが分かってきた。

 現在、新型コロナウィルスの感染拡大を防止するために、政府からは「3つの密(密閉・密集・密接)」を避けて行動するように指針が出されている。

 そのような状況であっても「3つの密にあたたらない安全な活動」をすることは、心の健康を保つためにとても大切なことだ。

 米コーネル大学の研究によると、人は自然が豊かな環境で短い時間を過ごすだけでも、より幸せを感じ、肉体的および精神的ストレスの影響を軽減できることが示されている。

 研究グループは、15~30歳の若者13人を対象に、自然のある空間で過ごしてもらい、気分、集中力、血圧、心拍数などの生理学的マーカーがどのように変化するかを調べた。

 その結果、わずか10〜50分間、自然にふれただけで、心身に良い影響があらわれることが示された。

 「プラスの効果を得られるまでに、多くの時間が必要なわけではありません。自然の豊かな空間に10分間いるだけでも、効果を得られやすくなります」と、同大学公衆衛生プログラムの主任であるジェン メレディス氏は言う。

 研究グループは、高いレベルのストレス、不安、うつ病などに対する予防策として医師が処方できる「自然療法」の確立を目指している。
わずかな時間でも自然にふれただけで、心身に良い影響が
 自然の中で時間を過ごすことが、人間の幸福にプラスの効果をもたらすという研究は、他にも報告されている。

 米カリフォルニア ポリテクニック州立大学の研究によると、自然の中で過ごすことで幸福感を高められるのは、鳥のさえずりなどの自然音が影響しているからだ。

 研究チームは、コロラド州の自然公園の歩道に、さまざまな鳥から録音された自然音を再生するスピーカーを隠した。歩道を歩いているハイカーに聴かせ、後でインタビューを行う実験を行った。

 その結果、鳥の鳴き声を聴いたハイカーは、聴かなかったハイカーよりも、幸福感がより高まっていることが分かった。自然音と生物多様性に対する認識の両方が、人間の幸福感を高めるために必要である可能性がある。

 「自然音をわずか7~10分聴くことで、幸福感を向上できるのは、驚くべきことです。私たちにとって、そしておそらく動物にとっても、聴覚がいかに重要であるかが示されました」と、同大学生物学のダニエル フェラーロ氏は述べている。
コロナの感染拡大により、自然環境での活動を増やした人が多い
 新型コロナの感染拡大は、多くの人の生活スタイルに変化をもたらした。コロナ禍の影響で、とくに女性は、自然や野外での活動を増やしているという調査結果を、米バーモント大学が報告している。

 研究チームは、2020年5月に外出規制がしかれたバーモント州で、3,200人超を対象にオンライン調査を実施。その結果、密集・密接を避けながら、自然の豊かな場所で過ごすことが増えていることが明らかになった

 大きな増加がみられたのは、「ウォーキング」(70%)、「自然や野生生物の観察」(64%)、「野外で1人でリラックスする」(58%)、「ガーデニング」(57%)、「写真撮影などのアート活動」(54%)だった。

 バーモント州は、多くが森林や山岳で占められ、緑豊かで自然が美しいことが知られ、とくに紅葉の美しさは有名だ。「コロナ禍は災厄ではありますが、何もかも奪われたわけではありません。代償としてもたらされたものもあります」と、同大学環境・自然自然学のレイチェル グールド氏は言う。
女性は男性よりもストレスの影響をより強く受ける?
 とくに女性は男性よりも、多くの種類の野外活動を増やしている傾向がみられた。女性は男性よりも、ウォーキングは2.9倍、ガーデニングは1.7倍、それぞれ屋外活動が増加していた。

 女性は男性よりも、新型コロナの拡大に対し、よりストレス解消の必要性に迫られ、自然を親しむ傾向が強まった可能性がある。

 「より多くの研究が必要ですが、コロナ禍により、女性は精神的幸福、美しさ、運動や身体活動、自然に親しみ楽しむことの価値について、より欲求が高まったのではないかと考えられます」と、グールド氏は言う。

 人は何も活動をしないと、どんどん心の元気がなくなってしまうことが知られている。

 コロナ禍の状況下で、何もする気になれなくても、心の元気を保つためには、今できる範囲で少しでも楽しさや達成感を感じられる活動を増やすことが大切だ。

Spending time in nature reduces stress(コーネル大学 2020年2月25日)
Minimum Time Dose in Nature to Positively Impact the Mental Health of College-Aged Students, and How to Measure It: A Scoping Review(Frontiers in Psychology 2020年1月14日)
The phantom chorus: birdsong boosts human well-being in protected areas(カリフォルニア ポリテクニック州立大学 2020年12月16日)
The phantom chorus: birdsong boosts human well-being in protected areas(Proceedings of the Royal Society B 2020年12月16日)
Exposure to trees, the sky and birdsong in cities beneficial for mental wellbeing(キングス カレッジ ロンドン 2018年1月9日)
In Pandemic, People Are Turning to Nature - Especially Women(バーモント大学 2020年12月15日)
COVID-19 and human-nature relationships: Vermonters' activities in nature and associated nonmaterial values during the pandemic(PLOS ONE 2020年12月11日)

「いまここケア」(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野)
新型コロナウイルス感染拡大防止のために自宅で過ごす方に向けたメンタルヘルス情報サイト。 コロナ禍で、運動をこれまで通りにできないという人も多い。上記ページでは、家でもできる運動や身体活動の方法について紹介している。
[Terahata]

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