ニュース

【新型コロナ】ワクチン3回目接種を受けた人は重症化・死亡リスクが大きく低下 追加(3回目)接種は効果がある

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を受けた人は、重症化と死亡のリスクが明らかに低いことを示す詳細なデータを厚生労働省がまとめた。

ワクチン3回目接種は効果がある

 専門家組織の会合に提出されたデータは、厚労省が協力の得られた石川県、茨城県、広島県のデータを使用し、2022年1月1日~2月28日に新型コロナ感染者11万9,109人を対象に、年齢階級別、ワクチン接種歴別に重症化率・致死率を暫定版として算出したもの。

 人工呼吸器を使用、ECMOを使用、ICUで治療のいずれかの条件にあてはまる患者を重症者とし、重症化率は、経過中重症にいたったが、死亡とならなかった患者、重症化して死亡した患者、重症化せず死亡した患者の合計を、感染者数で割ったもの。死亡者数は、新型コロナの陽性者で、死因を問わず亡くなった人を計上している。

 その結果、70代の重症化率と致死率は、未接種がそれぞれ3.83%と2.00%、2回以下は1.94%と1.14%だったのに対し、3回接種は0.95%と0.63%となり、3回目接種を受けた人は、重症化と死亡のリスクが明らかに低い

 80代以上の重症化率と致死率も、未接種がそれぞれ7.62%と6.63%、2回以下は3.67%と3.15だったのに対し、3回接種は2.15%と1.79%となり、3回接種との重症化率と致死率の差はさらに開き、3回目接種は効果があることが示された。

新型コロナ第6波での重症化率・致死率(暫定版)
3回目接種を受けた人は重症化と死亡のリスクが低い

出典:厚生労働省、2022年

若年層のワクチン接種勧奨が課題に

 30代、40代、50代をみても、3回目接種を受けた人は重症化と死亡のリスクがゼロになっており、3回目接種の効果が示されている。一方、若い世代は重症者や死者がほとんどいないものの、とくに20~30代のワクチン接種率は20%台と低い。政府は若い世代の接種率向上を急ぐ方針だ。

 政府が4月11日に公表した接種率の報告によると、国内で3回目接種を受けた人は約5,755万人で、全人口の45.4%を占めている。年代別にみると80代が88.4%ともっとも高く、次いで70代が86.0%、90代が85.9%、65~69歳も77.8%となり、年齢が高いほど3回目接種を受けている。

 しかし、まだ働いている人が多い65~69歳は66.7%、現役世代の50代が51.3%、40代が33.8%。若い世代の30代は25.9%、20代は24.0%。12~19歳では5.4%だった。

 若年層も感染すると、家庭や職場で高齢者や基礎疾患がある人へ感染を広げるリスクがある。政府は、「新型コロナの拡大を抑制するためにワクチン接種が必要。若い人でも重症化や後遺症が起こるケースがある。若年層にもワクチン接種の効果や意義を十分伝える必要がある」と述べている。

 なお、2022年2月2日~3月6日に、東京・大阪・宮城・愛知・福岡の計8,149人を対象に実施した抗体検査によると、ワクチンを接種した場合に陽性となる抗S抗体は、東京97.1%・大阪96.4%・宮城96.9%・愛知96.1%・福岡96.4%で確認された。一方、新型コロナウイルスに感染した場合に陽性となる抗N抗体は、2.71%~5.65%で確認された。調査参加者の1回目と2回目のワクチン接種率は96%だった。

全国の新規陽性者数等及びワクチン接種率 (2022年4月8日時点)
現役世代や若い世代の3回目接種を促進することが課題になっている

出典:厚生労働省、2022年

第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード (厚生労働省 2022年4月13日)
新型コロナウイルス感染症について (厚生労働省)
>> 新型コロナ ニュース一覧へ
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶