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【新型コロナ】AEDの使⽤率と救命率が低下 コロナ禍でも救命処置に協⼒を「あなたの手で命を救える」
2022年02月15日

コロナ禍でAED(自動対外式除細動器)の使用率と救命率が低下している。AEDによる電気ショック実施率は少しずつ上昇し、2019年には5%を超えたが、コロナ禍の2020年には4.2%と大幅に低下し、合わせて救命率も低下した。
日本AED財団は、「命や絆の⼤切さを⾒直す機会となるコロナ禍だからこそ、⽬の前で誰かが倒れたら、AEDを使い、救命処置にご協⼒下さい」と呼びかけている。
⼼停⽌の現場に居合わせた人々による緊急処置が命を救う
日本AED財団によると、⽇本では毎年、7万⼈を超える人が⼼臓突然死で亡くなっている。突然の⼼停⽌からの救命のカギを握るのは、⼼停⽌の現場に居合わせた人々によるAEDを⽤いた救命処置だ。 歩行中などに突然死する原因の多くは「心室細動」と呼ばれる重篤な不整脈だ。これは、心臓が痙攣し、血液を送り出すポンプ機能を失った状態だ。いわゆる心停止の状態で、発症すると意識を失って倒れ、数分で脳をはじめとした全身の細胞が死んでしまう。 AED(自動対外式除細動器)は、心室細動になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器。2004年7月より医療従事者ではない一般市民でも使用できるようになり、病院や診療所、駅、空港、学校、公共施設、企業など、人が多く集まるところを中心に設置されている。
一次救命処置(BLS)~心肺蘇生とAED~
日本赤十字社
電気ショックの適応がある人にAEDを使った電気ショックが⾏われると、約半分の人を救命することができる。
AEDによる電気ショック実施率は少しずつ上昇し、2019年には5%を超えたが、総務省消防庁の報告によると、コロナ禍の2020年には4.2%と⼤幅に低下しており、合わせて救命率も低下していることが分かった。
そこで、同財団は次のように呼びかけている。
日本赤十字社
コロナ禍であっても、誰かが倒れたら、声をかけてあげてください。反応がなく、呼吸が普段どおりでなければ(判断に迷った時も)、119番通報とAEDの要請をしたうえで、胸⾻圧迫(⼼臓マッサージ)を続け、到着次第、AEDによる電気ショックを⾏ってください。
AEDショックの後はすぐに胸骨圧迫を再開することも重要です。倒れている人の⼝をマスクや布などで覆うことで、感染のリスクを減らすことができます。
命や絆の⼤切さを⾒直す機会となるコロナ禍だからこそ、⽬の前で誰かが倒れたら、AEDを使い、救命処置にご協⼒下さい。
救急隊や医師を待っていては命を救うことはできない
⽇本AED財団によると、心室細動からの救命には迅速な心肺蘇生と電気ショックが必要だ。 下のグラフは心停止となってから電気ショックまでの時間と救命率を示したもの。電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下する。119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は8.9分。 「救急隊や医師を待っていては命を救うことはできません。 突然の心停止を救うことができるのは、その場に居合わせた"あなた"しかいないのです」と、同財団は呼びかけている。 同財団では、コロナ禍でも安心して参加できるようにオンラインでのAED講習会を開催している。自宅から、職場から60分間で、胸骨圧迫とAEDについて学ぶことができる。
心停止となってから電気ショックまでの時間と救命率
電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下
公益財団法人 ⽇本AED財団電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下

AED講習会のご案内(⽇本AED財団)
AED財団の目指す5つのゴールと3つの"S"
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