ニュース

【新型コロナ】重症化リスクを高める要因は高齢・タバコ・糖尿病・肥満 危険因子を減らす対策が必要

 新型コロナが重症化し、死亡や予後不良のリスクを高める主な原因は、▼高齢、▼タバコを吸う習慣、▼糖尿病や肥満などの心血管疾患の危険因子――。心血管リスク要因が、新型コロナが重症化し死亡リスクを高める主な原因という大規模な調査の結果を、米国のミシガン大学が発表した。

新型コロナが重症化しやすくなる要因が判明

 新型コロナが重症化し、死亡や予後不良のリスクを高める主な原因は、▼高齢、▼タバコを吸う習慣、▼糖尿病や肥満などの心血管疾患の危険因子――。心血管リスク要因が、新型コロナが重症化し死亡リスクを高める主な原因という大規模な調査の結果を、米国のミシガン大学が発表した。

 研究グループは、2020年3月~6月に全米の68ヵ所で、新型コロナが重症化し集中治療室に入院した5,133人の患者のデータを分析した。これらの患者のうち、1,174人は「冠動脈疾患」「うっ血性心不全」「心房細動」のいずれかの既往があった。

 冠動脈疾患は、心臓を動かす心筋に酸素や栄養をおくっている冠動脈が狭窄したり(狭心症)、閉塞してしまい(心筋梗塞)、心筋への血流が阻害され、心臓に障害が起こる疾患。

 うっ血性心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に血液を十分におくりだせなくなる心機能障害のひとつ。

 そして心房細動は、心臓の心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる不整脈の一種。心臓に負担がかかり、血液をうまく全身におくりだせなくなると、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心不全のリスクを高める。

心血管リスクがあると死亡リスクが大幅に上昇

 調査の結果、こうした心血管疾患のある新型コロナ患者は、その既往歴のない患者に比べ、死亡リスクが30%近く高いことが明らかになった。

 「心血管疾患の既往歴の有無に関わらず、心血管リスクのある患者さんは、死亡リスクが大幅に上昇しました。心血管リスク要因が、新型コロナの重症化により死亡リスクを上昇させる主な原因だと考えられます」と、ミシガン大学心血管センターのサリム ハイエク氏は言う。

 「糖尿病、高血圧、喫煙などの危険因子により、心血管疾患のある患者さんの負担はより大きくなります。そうした患者さんは、新型コロナが重症化するリスクも高いことに注意する必要があります」と、同大学医学部心臓病学のアレクシ ヴァスビンダー氏は言う。

糖尿病や肥満は心血管疾患リスクを上昇させる

 心血管リスクのある患者の34.6%は、28日以内に死亡し、ほぼ18%が心停止や心筋炎などの心血管イベントを発症した。こうした傾向は、心臓病の既往歴のある患者とない患者のあいだで差がなかったという。

 心血管疾患は、高齢者でよくみられる疾患で、慢性炎症とも関連がある。高齢であることや、糖尿病や肥満は、心血管疾患のリスクを上昇させる危険因子になる。研究では、新型コロナが重症化した患者では心血管疾患が多く、そうした危険因子が新型コロナの重症化を予測する因子となることが示された。

 「トロポニン」は心筋由来のタンパクで、心筋梗塞を発症するなどして心筋が傷害を受けると、血液中で増える。研究では、新型コロナが重症化し集中治療室に入院した患者のほぼ半数で、トロポニンが高値になっていたことが分かった。トロポニン値がもっとも高かった患者は、心筋損傷のない患者に比べ、死亡リスクがほぼ3倍高かった。

重症化リスクの高い患者を特定する方法の開発へ

 「私たちはいま、心不全や冠状動脈疾患などの心臓病の進行により、新型コロナの重症化リスクがもっとも高い患者さんのグループを特定する方法を開発する研究に取り組んでいます」と、ヴァスビンダー氏は言う。

 「新型コロナの重症化に深く関わる基礎疾患の改善にもつなげ、新型コロナの危険因子をなるべく減らす対策を施せるようになると期待しています」。

 「新型コロナが重症化した患者さんの多くで、心臓損傷の兆候がみられました。今回の研究は、新型コロナは全身性炎症に関連する多臓器損傷をともなう肺疾患だという見方を強めるものです」と、ハイエク氏は述べている。

 「新型コロナが重症化した患者さんで多くみられた心臓損傷のエビデンスは、新しい合併症の発症や既存の心臓病の悪化ではなく、重症化とそれがすべての臓器に与えるストレスを反映している可能性が高いとみています」としている。

 研究は、米国国立糖尿病・消化器・腎臓病研究所(NIDDK)の支援を受けて行われたもの。研究成果は、「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」に掲載された。

Smoking, diabetes and obesity - not preexisting heart disease - bigger risk of COVID-19 death (ミシガン大学 2022年10月12日)
Relationship Between Preexisting Cardiovascular Disease and Death and Cardiovascular Outcomes in Critically Ill Patients With COVID-19 (Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes 2022年10月4日)
>> 新型コロナ ニュース一覧へ
[Terahata]
side_メルマガバナー

「特定保健指導」に関するニュース

2024年04月30日
タバコは歯を失う原因に 認知症リスクも上昇 禁煙すれば歯を守れて認知症も予防できる可能性が
2024年04月25日
厚労省「地域・職域連携ポータルサイト」を開設
人生100年時代を迎え、保健事業の継続性は不可欠
2024年04月23日
生鮮食料品店が近くにある高齢者は介護費用が低くなる 自然に健康になれる環境づくりが大切
2024年04月22日
運動が心血管疾患リスクを23%低下 ストレス耐性も高められる 毎日11分間のウォーキングでも効果が
2024年04月22日
職場や家庭で怒りを爆発させても得はない 怒りを効果的に抑える2つの方法 「アンガーマネジメント」のすすめ
2024年04月22日
【更年期障害の最新情報】更年期は健康な老化の入り口 必要な治療を受けられることが望ましい
2024年04月22日
【肺がん】進行した人は「健診やがん検診を受けていれば良かった」と後悔 早期発見できた人は生存率が高い
2024年04月16日
塩分のとりすぎが高血圧や肥満の原因に 代替塩を使うと高血圧リスクは40%減少 日本人の減塩は優先課題
2024年04月16日
座ったままの時間が長いと肥満や死亡のリスクが上昇 ウォーキングなどの運動は夕方に行うと効果的
2024年04月15日
血圧が少し高いだけで脳・心血管疾患のリスクは2倍に上昇 日本の労働者8万人超を調査 早い段階の保健指導が必要
アルコールと保健指導
無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら

ページのトップへ戻る トップページへ ▶