ニュース
【新型コロナ】いつでもどこでも、体ひとつでできる筋力トレ「佐倉市オリジナル体操」 コロナ禍での運動不足の解消やロコモ予防に
2021年06月07日

順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科と千葉県佐倉市は、自分の体ひとつで手軽に実施できる10分間の運動プログラム「佐倉市オリジナル体操」を共同で制作した。
運動不足や筋力低下により生じるロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)や、2型糖尿病などの生活習慣病の予防・改善を目指している。
運動不足や筋力低下により生じるロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)や、2型糖尿病などの生活習慣病の予防・改善を目指している。
いつでも、どこでも、体ひとつで取り組める筋力トレーニング
「佐倉市オリジナル体操」は、順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科で運動生理学を専門とする町田修一教授が監修した、自体重筋力トレーニングを中心とした運動プログラム。
いつでも、どこでも、誰でも、体ひとつで行うことを目指し、自分の体重を負荷にしてできる筋力トレーニングを中心に構成されている。仕事や家事のすき間時間に、手軽に行える10分間の運動プログラムになっている。
太もも、おしり、肩・腕周り、お腹周りなど、全身の筋力をバランスよく向上させる、4つの筋力トレーニングメニューで構成されている。
トレーニングのポイントや注意点を解説した動画も公開されている。「1人でも多くの方が繰り返しご視聴になり、運動の習慣化に役立ててくだされるようになることを目指しています」と、研究者は述べている。
筋力トレーニングの合間の休憩時間(60秒)には、佐倉市の景色や名所の映像を楽しみながら、有酸素運動やバランストレーニングに取り組むこともでき、トレーニングとあわせて「ロコモチェック」を行うことで、自分の筋力レベルやトレーニングの効果を確認できる。
佐倉市オリジナル体操:Sakura 10 Minutes Exercise~気軽に10分筋活~
コロナ禍でこそ意識したい筋力アップの必要性
コロナ禍での活動自粛で運動の機会も減り、運動不足の状態が長引いてしまうと、筋肉・骨・関節といった運動器の状態が悪化してしまうことが懸念されている。
その結果、引き起こされる移動機能の低下が「ロコモ」だ。ロコモが進行すると、いままで無理なく上れていた階段がきつく感じるようになったり、休憩なく歩けていた距離で休むことが必要になったりなど、日常生活にも支障が出ることが考えられる。
「ロコモ=高齢者の問題」と捉えられがちだが、シニア世代だけでなく、若い世代でもしっかり対策することが必要だ。生涯にわたり健康で自立した生活を営むためには、体を支えたり動かしたりする筋肉を維持することがとくに大切になる。
筋力アップを目的とする自体重筋力トレーニングは効果的
「コロナ禍が長期化してしまっている現状では、筋力アップを目的とする運動支援の必要性が、よりいっそう高まっています。こうした社会的な背景をふまえて、市民の健康増進に貢献するため、佐倉市よりオリジナル体操の共同制作の依頼を受けました」と、町田教授は述べている。
制作に際してまず留意したのは、これまでに順天堂大学が取り組んできた、学術的な取り組みを根拠とする運動プログラムの内容とすることだという。
効率的に運動に取り組むためには、目的に応じた適切な内容を理解するとともに、自分自身の体力の現状や、運動継続による成果を把握することも重要となる。
「いつでも」「どこでも」実施できるという点で、筋力アップを目的とする自体重筋力トレーニングは非常に有用な方法だ。
今回のオリジナル体操では、上記の複合的な要素を盛り込みながら、運動時間が10分間となることを目指したという。さらに、佐倉市の公式コンテンツとなることから、視聴者が佐倉市の魅力を再発見できるよう、佐倉市内の名所や風景の映像を運動中に見てもらえる構成になっている。
健康増進のためには、有酸素運動やバランストレーニングといった、多面的な運動様式に取り組むことも望まれる。
佐倉市オリジナル体操:Sakura 10 Minutes Exercise~気軽に10分筋活~

出典:順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科、2021年
まずは週2回からはじめて、4週間続けるのが目標
「佐倉市オリジナル体操」は、新型コロナの拡大防止を目的に活動自粛が求められるなかで、佐倉市と共同で制作されたオリジナル体操。
「"新しい生活様式"への対応が求められるコロナ禍のなかでこそ、活用していただきたいコンテンツです。この体操に取り組むことで、さまざまな運動を行う充実した10分間の過ごし方が身に付けられることでしょう。まずは週2回の頻度で実施することから始めて、4週間程度はトレーニングに慣れることを目標にしてください」と、監修した町田教授は、述べている。
「トレーニングの効果は、"ややきつい"と感じる程度に負荷をかけることで期待できますが、自身の体力や体調に合わせ、継続することを大切にしてほしいと思います。今後、この体操が広まることで、佐倉市民の方々はもちろん、ご視聴くださる皆様が笑顔で元気になっていくことを願っています」としている。
順天堂大学大学院 スポーツ健康科学研究科
ポストコロナ時代にこそ「筋活」が必要! "新しい生活様式"に対応する「ロコモ予防運動プログラム」
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2025 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】女性と男性はストレスに対する反応が違う メンタルヘルス対策では性差も考慮したアプローチを
- 2025年02月25日
- 【国際女性デー】妊娠に関連する健康リスク 産後の検査が不十分 乳がん検診も 女性の「機会損失」は深刻
- 2025年02月25日
- ストレスは「脂肪肝」のリスクを高める 肥満やメタボとも関連 孤独や社会的孤立も高リスク
- 2025年02月25日
- 緑茶を飲むと脂肪肝リスクが軽減 緑茶が脂肪燃焼を高める? 茶カテキンは新型コロナの予防にも役立つ可能性が
- 2025年02月17日
- 働く中高年世代の全年齢でBMIが増加 日本でも肥満者は今後も増加 協会けんぽの815万人のデータを解析
- 2025年02月17日
- 肥満やメタボの人に「不規則な生活」はなぜNG? 概日リズムが乱れて食べすぎに 太陽光を浴びて体内時計をリセット
- 2025年02月17日
- 中年期にウォーキングなどの運動を習慣にして認知症を予防 運動を50歳前にはじめると脳の健康を高められる
- 2025年02月17日
- 高齢になっても働き続けるのは心身の健康に良いと多くの人が実感 高齢者のウェルビーイングを高める施策
- 2025年02月12日
-
肥満・メタボの割合が高いのは「建設業」 業態で健康状態に大きな差が
健保連「業態別にみた健康状態の調査分析」より - 2025年02月10日
- 【Web講演会を公開】毎年2月は「全国生活習慣病予防月間」2025年のテーマは「少酒~からだにやさしいお酒のたしなみ方」