ニュース
【新型コロナ】毎日をアクティブに過ごすために 糖尿病やがんなど慢性疾患をもつ人のメンタルヘルスを改善
2021年08月23日

新型コロナウイルス感染症の拡大によるストレスの影響で、世界中で多くの人がメンタルヘルスケアの不調を経験した。
とくに糖尿病、心臓病、がん、自己免疫疾患など、慢性的な健康上の懸念がある人では、新型コロナに感染した場合の重症化リスクが高いだけでなく、メンタルヘルスケアの問題も深刻であることが明らかになった。
「コロナ禍で、慢性疾患をもつ人々のためのメンタルヘルス支援が不足しています。予防と管理を改善するために、的を絞った介入が必要です」と、研究者は述べている。
とくに糖尿病、心臓病、がん、自己免疫疾患など、慢性的な健康上の懸念がある人では、新型コロナに感染した場合の重症化リスクが高いだけでなく、メンタルヘルスケアの問題も深刻であることが明らかになった。
「コロナ禍で、慢性疾患をもつ人々のためのメンタルヘルス支援が不足しています。予防と管理を改善するために、的を絞った介入が必要です」と、研究者は述べている。
コロナ禍でメンタルヘルスケアの問題も深刻に
新型コロナの拡大により、多くの患者はふだん通りに通院治療を続けるのが困難になり、身体的な健康を維持するのが難しくなった。
とくに糖尿病、心臓病、がん、自己免疫疾患など、慢性的な健康上の懸念がある人では、新型コロナに感染した場合の重症化リスクが高いだけでなく、不安、うつ病、アルコールの乱用、睡眠障害など、メンタルヘルスケアの問題も深刻であることが、カナダのトロント大学などの研究で明らかになった。
研究グループは、コロナ禍が始まった2019年12月から2020年10月までに発表された、英語と中国語で書かれた67件の研究を解析した。
身体的健康と精神的健康は、経済の不安定、社会的孤立、医療や介護のケアサービスへのアクセス減少など、心理社会的な影響をともに受けやすいことや、また国や地域によっては、適正な情報が伝わりにくかったり、誤った情報が広がるなど、社会的な混乱が引き起こされた可能性が大きいことが示された。
「新型コロナの感染拡大により、世界中が未曾有の危機に直面し、個人の対処能力を超えた問題も持ち上がりました。慢性疾患を抱える患者さんは、身体的健康に加えて、精神的健康が損なわれ、治療がさらに困難になることが懸念されます」と、研究委員長であるカナダのクワントルン工科大学のカレン デイヴィソン氏は言う。
「メンタルヘルス問題のスクリーニング、低所得層への支援、デジタルリソースを使用した患者支援、オンライン医療や社会的処方、患者同士が助け合うピアサポートの充実など、さまざまな課題があります」と、ビクトリア大学社会学部のサイモン キャロル教授は言う。
運動でメンタルヘルスを改善できる

身体活動を維持できている人はメンタルヘルスの状態も良い

出典:マクマスター大学、2021年
新型コロナに負けず毎日をアクティブに過ごすための4つの方法
逆に、身体活動レベルを平常時と同等に維持していたり増やした人は、メンタルヘルスの状態は比較的良いことが分かった。身体活動量の変化量と、うつレベル、不安レベルとの間に、負の相関がみられた。
新型コロナに負けず毎日をアクティブに過ごすために、研究グループは4つのことを提案している。
■ とにかく体を動かす
運動量が減ったとしても、くよくよ悩まないようにし、とにかく機会をみつけて、体を動かすよう心かげましょう。ちょっとした運動であっても、何もしないのに比べずっとましなのです。
■ 運動強度を下げてみる
新型コロナの影響で、強い不安を感じる人は、運動強度を下げてみてください。空いた時間に家の近所を少し散歩したり、室内で体操をするだけでも、立派な身体活動になり、気晴らしにもなります。
■ なるべく立ち上がって体を使う
座りがちな時間を減らし、なるべく立ち上がって体を動かすようにしましょう。▼エレベーターよりも階段を使う、▼移動は車よりも徒歩で、▼デスクワークでは1時間ごとに休憩をとり体を動かす、▼テレビのコマーシャルの時間に立ち上がる、▼休日にはガーデニングや大工仕事などを行う――といった工夫をしてみましょう。
■ カレンダーに予定を書き込む
運動をする日を決めて、予定を組みましょう。感染対策をして、周囲環境などにも注意を払っていれば、運動を安全に行えます。夏に屋外でマスクを着用して体を動かす場合は、強い負荷の作業や運動は避け、こまめな水分補給をこころがけてください。
Dearth of mental health support during pandemic for those with chronic health problems(トロント大学 2021年7月20日)Interventions to Support Mental Health among Those with Health Conditions That Present Risk for Severe Infection from Coronavirus Disease 2019 (COVID-19): A Scoping Review of English and Chinese-Language Literature(International Journal of Environmental Research and Public Health 2021年7月7日)
Pandemic paradox: People want to improve mental health by exercising, but stress and anxiety get in the way, research shows(マクマスター大学 2021年4月12日)
A mental health paradox: Mental health was both a motivator and barrier to physical activity during the COVID-19 pandemic(PLOS ONE 2021年4月1日)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2022 SOSHINSHA All Rights Reserved.
「特定保健指導」に関するニュース
- 2021年12月21日
- 特定健診・保健指導の効果を10年間のNDBで検証 体重や血糖値が減少し一定の効果 ただし体重減少は5年後には減弱
- 2021年12月21日
- 【子宮頸がん】ワクチン接種を受けられなかった女性へのキャッチアップが必要 子宮頸がん検診で異常率が上昇
- 2021年12月21日
- 肥満や糖尿病の人ではFGF21の抗肥満作用が低下 朝食抜き・毎日飲酒・喫煙といった生活スタイルが影響
- 2021年12月21日
- 【申込開始】今注目のナッジ理論、感染症に関する教材が新登場!遠隔指導ツールも新作追加! 保健指導・健康事業用「教材・備品カタログ2022年版」
- 2021年12月20日
- 牛乳を毎日コップ1杯飲んでいる女性は脳卒中のリスクが低下 牛乳に血圧を下げる効果が?
- 2021年12月20日
- 「住環境」は健康増進にも影響 「断熱と暖房」が血圧や住宅内での活動量に寄与 足元が暖かいことも大切
- 2021年12月13日
- 早食いは肥満や体重増加につながる ゆっくり味わってよく噛んで食べるとエネルギー消費量を増やせる
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】子供の心の実態調査 食事を食べられなくなる「神経性やせ症」の子供がコロナ禍で増加
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】ファイザーのワクチンの3回目接種はオミクロン株にも効く? 抗体価は半分に減るものの2回接種より25倍に増加
- 2021年12月13日
- 【新型コロナ】日本人はなぜ感染・死者数が少ない? 風邪でつくられた免疫が新型コロナにも有効に働いている可能性 理研
最新ニュース
- 2022年05月27日
- 子どもを亡くした家族への適切な支援を 自治体や医療機関に向けた支援の手引きを作成 グリーフケアに関する調査研究
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】保健師がコロナ禍の拡大を食い止めている 保健師の活動が活発な地域では罹患率は減少
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】起床・朝食が遅くなった子供で運動不足や栄養バランスの乱れが 規則正しい食事・睡眠が大切
- 2022年05月23日
- 【新型コロナ】コロナ禍で結婚数と出生数が減少 将来に対する不安や経済的な悩みが原因?
- 2022年05月23日
- 【子宮頸がん】HPVワクチンの予防効果は優れている 接種9年後の感染率は0% ワクチンの有効率は100%
~保健指導・健康事業用 教材~
-
アイテム数は3,000以上! 保健指導マーケットは、健診・保健指導に役立つ教材・備品などを取り揃えたオンラインストアです。 保健指導マーケットへ