ニュース

【新型コロナ】ワクチンの効果が明らかに ワクチン接種が高齢者の感染と死亡を減少

 8月末までに65歳以上の高齢者の9割近くが、2回の新型コロナワクチンの接種を完了しており、ワクチン接種による集団免疫の効果があらわれてきた。
 新型コロナワクチンは今年の7月と8月だけで、65歳以上の高齢者の感染を10万人以上、死亡を8,000人以上、それぞれ防いだ可能性があることが、厚生労働省のHER-SYSデータを用いた推定モデルで明らかになった。
 高齢者のワクチン接種が進んだ影響で、新型コロナ感染陽性者の致死率が、90歳以上で1月は15.56%だったのが、7月には5.64%まで低下した。
高齢者の9割近くが2回の新型コロナワクチンの接種を完了
 新型コロナへの対策として厚生労働省で開催されている「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」で、「新型コロナウイルス感染症に対するワクチン等の効果の推定」が報告された。

 8月末までに65歳以上の高齢者の9割近くが、2回のワクチン接種を完了しており、ワクチンの効果として、高齢者を中心とした感染者数、死亡者数の増加抑制が期待されている。

 そこで、厚生労働省は感染者の情報を集約するシステム「HER-SYS(ハーシス)」データを用いて、ワクチン接種がなかった場合の推定モデルを作成し、ワクチン接種により、新型コロナ陽性者数、死亡者数が、どの程度抑制されたかを試算した。

 2021年1月1日~8月31日までのデータを使用し、(1)4月~8月までの感染陽性者数と年齢区分別の月毎の増加率を算出、(2)1月~7月までの高齢者の新型コロナウイルス感染陽性者、死亡者数、致死率を検討、(3)この2つを利用し、感染陽性者数と死亡者数の抑制を試算した。
ワクチンの効果は明らか 8,000人以上の高齢者の死亡を抑制
 その結果、7月と8月だけで、10万人以上の高齢者の感染を抑制した可能性が示された。

 65歳以上の高齢者の新型コロナの感染者数が、7月は5,953人で、8月は2万4,110人だった。ワクチン接種が進まなかった場合は、感染者数が7月は2万7,052人、8月は11万778人と推定され、7月は2万1,099人、8月は8万6,668人の感染を防いだことになる。

 さらに、7月と8月で、8,000人以上の高齢者の死亡を抑制した可能性が示された。

 高齢者の新型コロナによる死亡者数が、7月は145人で、8月は725人だった。ワクチン接種が進まなかった場合は、感染者数が7月は1,768人、8月は7,544と推定され、7月は1,623人、8月は6,819人の死亡を防いだことになる。

出典:新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード、2021年

 さらに、1月~7月の「新型コロナウイルス感染陽性者の致死率」も公表された。1月と7月を比較すると、1月の致死率が90歳以上で15.56%だったものが、7月には5.64%まで低下したことが示された。

 他の年齢層でも、1月の致死率は、65~69歳で1.55%、70~79歳で3.89%、80~89歳で9.96%だったのが、7月には、それぞれ1.07%、1.65%、4.62%に低下した。

出典:新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード、2021年

新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚生労働省)
新型コロナワクチンについて(厚生労働省)
>> 新型コロナ ニュース一覧へ
[Terahata]

「特定保健指導」に関するニュース

2023年02月27日
毎日のウォーキングで女性の認知症を予防 活発な運動を1日30分増やすと認知症リスクは21%低下
2023年02月27日
「子宮頸がん(HPV)ワクチン」の安全性をあらためて支持 「副反応説」には科学的欠陥が 近畿大学
2023年02月24日
「難聴」の高齢者は認知症リスクが61%上昇 加齢性難聴は高齢者の3分の2に影響 適切なケアが重要
2023年02月20日
コロナ禍で孤独を感じる人が増えている 孤独はうつ病や認知症のリスクを高める こうして孤独を解消
2023年02月20日
【新型コロナ】なぜ男性は女性よりも重症化しやすい? 後遺症は女性の方が多いという報告も
2023年02月20日
「良い睡眠」に心臓病・脳卒中・脂肪肝の予防効果 「運動」で睡眠を改善 とくに女性で高い効果
2023年02月20日
「認知症の前段階」が5分でわかる 早期発見し認知症を予防 「バランスWiiボード」を活用
2023年02月14日
新型コロナの後遺症は「健康的な生活スタイル」により減少 心理的・社会的なストレスも影響
2023年02月14日
【新型コロナ】施設での感染拡大を防ぐために 適切な換気で「エアロゾル感染」を予防 気流の確認と管理が必要
2023年02月13日
【新型コロナ】加熱式タバコでも感染と重症化のリスクは上昇 燃焼式タバコと併用するとさらに危険
アルコールと保健指導

トピックス・レポート

無料 メールマガジン 保健指導の最新情報を毎週配信
(木曜日・登録者11,000名)
登録者の内訳(職種)
  • 産業医 3%
  • 保健師 46%
  • 看護師 10%
  • 管理栄養士・栄養士 19%
  • その他 22%
登録はこちら ▶
ページのトップへ戻る トップページへ ▶