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【新型コロナ】母乳育児が大幅に減少 母乳には大切なベネフィットが 授乳中のワクチン接種は安全
2022年01月11日

新型コロナのパンデミックにより、母乳で育てられた乳児の割合が大幅に減少したことが分かった。
母乳育児には母親と子供の双方にとって重要なベネフィットがある。
妊娠中の新型コロナワクチンの接種は安全であることが分かっているが、それを誤解している親は少なくないとみられている。
コロナ禍でも母乳育児は安全 誤った理解が母乳育児の妨げに
新型コロナのパンデミックにより、産後1ヵ月・3ヵ月・6ヵ月で完全に母乳で育てられた乳児の割合が大幅に減少したことが、南カリフォルニアの「女性・乳児・子供のための特別栄養補助プログラム(WIC)」の参加者を対象とした調査で明らかになった。 新型コロナの拡大により、WICのサービスは対面ではなくリモートで提供された。母乳育児教育は、WICプログラムの柱のひとつで、適切な授乳トレーニングを提供することを目標としている。 「母乳育児のサポートは、WICプログラムでもっとも優先している事項です」と、カリフォルニア州立大学公衆衛生学部のマリア コレイラ氏は言う。 「しかし、新型コロナの流行により、提供しているサービスはリモートに移行し、対応するライブサポートの減少は避けられません。このことが、2020年の母乳育児率の低下と早期離乳の増加につながった可能性があります。さらには、コロナ禍での母乳育児の安全性について、誤ったメッセージを受け取ってしまった親がいるとみられます」としている。 母乳中に新型コロナウイルスが含まれるという報告はなく、正確なことは調査中であるものの、WHO(世界保健機関)やCDC(米国疾病予防管理センター)は、母乳をあげて良いとしている。母乳育児には母親と子供の双方にとって重要なベネフィットが
研究グループは、WICプログラムの参加者を対象に、新型コロナのパンデミックの前と最中で、完全母乳育児を行っている割合を比較した。ロサンゼルスの病院で、2020年3月以前に生まれた1,740人と、以後に生まれた686人を比較した。 その結果、生後1ヵ月で41.79%から28.09%に大幅に低下したことが明らかになった。3ヵ月では28.51%から18.06%に、6ヵ月では15.66%から10.38%に低下した。 「新型コロナのパンデミックは、乳児の健康に破壊的な悪影響をもたらしている可能性があります。健康と社会システムについて、公衆衛生で行うべき基本的なことを再確立する必要であり、そのための問題点を明らかにする必要があります」と、アルバート アインシュタイン医科大学小児科学のアーサー アイデルマン教授は言う。 「母乳育児医学アカデミー(ABM)」は、母乳育児の促進・保護・支援を専門とする医師を中心とした世界的な組織だ。母乳育児には、母親と子供の双方にとって、栄養・生理・心理での重要なベネフィットがあることが実証されている。母乳育児が世界中で直面している課題について、20年以上にわたり、エビデンスにもとづいた解決策を提案している。授乳中のワクチン接種は安全 安心して接種を受けて

The Impact of COVID-19 on Breastfeeding Rates in a Low-Income Population (Breastfeeding Medicine 2022年1月5日)
Breastfeeding and COVID-19 (世界保健機関 2020年6月23日)
妊娠・授乳中の新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種について (国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター)
新型コロナウイルスと母乳育児について (国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター)
私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか?(新型コロナワクチンQ&A(厚生労働省))
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