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【新型コロナ】オミクロン株に感染した入院患者の6割はワクチンの2回接種済み やはり3回目接種が必要

 新型コロナウイルスのオミクロン株に感染して入院した人の6割が、ワクチンを2回接種済みだったことが、国立感染症研究所の調査で分かった。

 2回の接種だけでは、現在国内で拡大しているオミクロン株の感染防止には不十分であることが示された。国内外の研究データでは、3回接種を行うと抗体価が上がることが示されており、欧米諸国と比べ遅れている日本の3回目接種の進捗が待たれる。

 厚生労働省が2月8日に公表したこれまでに入院治療が必要とされた人は80万6,191人となっている(うち重症者は1,141人)。感染研の分析結果からは、オミクロン株の感染は2回目接種を終えた人に多いとみられている。

入院コロナ患者の66%に2回以上のワクチン接種歴 重症治療を受けた患者はゼロ

 調査の対象となったのは、次の条件をすべて満たす症例。▼2021年11月29日~2022年1月12日に、調査に協力した国内の15医療機関に入院し、診療を受けた感染者、▼ゲノム解析によりオミクロン株(B.1.1.529系統)のが確定した感染者。

 研究グループは、0歳~78歳の122人(男性79人、女性43人)を対象に分析した。年代別では40代(26人)、20代(23人)が多かった。60歳以上は10人だった。65.6%(80人)は2回以上のワクチン接種歴があり、基礎疾患を有していない人が75.4%(92人)だった。

 その結果、122人のワクチン接種歴では「2回目終了」が63.1%(77人)ともっとも多く、次いで「接種なし」が32.8%(40人)。3回目をすでに受けながら感染した人も3人、1回目だけの人が2人いた。

 2回接種者のワクチンの種類は、ファイザーが57.1%(44人)、モデルナ・武田薬品工業が32.5%(25人)、アストラゼネカが7.8%(6人)だった。

 入院時に何らかの症状があったのは76.2%(93人)。無症状は23.8%(29人)だったが、うち4人は入院後に症状が出た。主な症状は、咳嗽(せき)が45.1%(55人)、37.5℃以上の発熱が32.8%(40人)、咽頭痛が32.8%(40人)、鼻汁が20.5%(25人)で、嗅覚障害が1.6%(2人)、味覚障害は0.8%(1人)に認めた。

 入院した122人のうち、87.7%(107人)が胸部レントゲン検査もしくはCT検査を受け、6.5%(7人)に肺炎像(胸部レントゲン検査3.3%、胸部CT検査12.8%)を認めた。

 治療の内容は抗体薬「ソトロビマブ」投与が16人、「イムデビマブ」投与が4人。その他抗ウイルス薬「レムデシビル」や抗菌薬などの投薬治療を受けたのは21人。101人は対症療法だけだった。

 同研究所が東京大学医科学研究所などと共同で行ったヒトの細胞培養実験やハムスターを使った動物実験では、オミクロン株は鼻では良く増えるが、肺での増殖能はデルタ株よりも顕著に低いことが確かめられている。

 同研究所では、「国内で早期に探知された症例は、比較的若年層であり、基礎疾患を有する者が少なかった。このため、今回の調査結果のみで、COVID-19の重症化リスクが高いとされる高齢者や基礎疾患を有する者での重症化リスクを評価することは困難」としている。

 ただし、「122例中21例(17.2%)にCOVID-19への直接的な効果を期待して治療介入が行われたものの、入院期間中に酸素投与を行われた者はおらず、ICUでの加療や、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)の使用といった重症治療を受けた者は認めなかった」としている。

新型コロナウイルス感染症(CVID-19)関連情報(国立感染症研究所)
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