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【新型コロナ】ネットやSNSの医療・健康情報は信用できる? ヘルスリテラシーを高める4つのポイント

 医療や健康、自分の病気についての情報を求めて、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを利用する人は多い。しかし、そうしたSNSに投稿された情報は、誤った内容のものも混じっており、その影響は深刻とみられている。

 米国公衆衛生局(PHS)は、「情報の荒波に飲み込まれないようにするためには、情報の正確さを見極め活用できる力(ヘルスリテラシー)を育むことが必要です」と呼びかけている。

 米国医科大学協会(AAMC)は、「ネットやSNSで医療・健康情報に接する前に確認したいポイント」を公開している。

不安になっていると冷静さを失いやすい

 医療や健康、自分の病気についての情報を求めて、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを利用する人は多い。しかし、そうしたSNSに投稿された情報は、誤った内容のものも混じっており、その影響は深刻とみられている。

 とくに新型コロナの感染が拡大していた時期は、医療に関する情報がネット上で氾濫し、そのなかには不正確なものも混じっていた。専門家は、そうした誤った医療情報に騙されないようにするため、ユーザーはより賢くなるべきだと指摘している。

 人は誰しも、病気や健康について不安になっていると、必死にいろいろな情報を集めようとする心理が働く。とくに新型コロナの感染拡大などで、不安に襲われているときは、人は冷静さを失い、不合理な選択をしてしまうおそれがある。

ヘルスリテラシーを高めて、情報の正確さを見極める必要が

 そこで、米国公衆衛生局(PHS)は昨年、「医療・健康関連の誤った情報に立ち向かう(Confronting Health Misinformation)」というタイトルの勧告を公開した。

 「医療・健康に関する誤った情報は深刻な脅威です。混乱を引き起こし、不信の種をまき、人々の健康を害し、公衆衛生上の取り組みを台無しにするおそれがあります」としている。

 「情報の荒波に飲み込まれないようにするためには、情報の正確さを見極め活用できる力(ヘルスリテラシー)を育むことが必要です」と呼びかけている。

 「ヘルスリテラシー」とは、医療や情報に関する情報を正確に理解する能力のこと。正確な情報は、人を対象とした臨床試験の結果にもとづくものであり、具体的に、どのような症状・病気の人が、どのような治療を行って、どのような効果を得られたのかを整理して、情報を読み解く力が必要としている。

理解しやすく、信頼でき、根拠のある情報が求められている

 ネットやSNSなどに投稿される情報の多くは、情報の正確さよりも他者の関心を引くことが優先されているという。虚偽の情報が共有される確率は、正しい情報が共有される確率よりも、70%も高いという調査結果がある。

 全米の大学の医学部や病院、学術・科学団体などが参加している米国医科大学協会(AAMC)では、「医療に関する誤った情報の拡大は、現代のもっとも差し迫った課題のひとつです。医療に携わるすべての人は、この潜在的で致命的な状況に積極的に立ち向かう必要があります」と呼びかけている。

 AAMCの医師らはネットで、新型コロナのパンデミックに関する2,000件以上の質問に回答したという。その過程で、ワクチン接種、予防法、感染拡大の状況、感染した場合の症状などについて誤った理解が少なくないことが分かった。

 ただし、明らかに虚偽の反社会的な情報を盲信していた人は少数で、ほとんどの人は理解しやすく、信頼でき、科学的な根拠にもとづいた情報にアクセスすることを心から望んでいることも分かった。

医療者や専門職とのコミュニケーションが重要

 ヘルスリテラシーを育むために必要なのは、身近に健康や病気のことを何でも相談できる場が十分に整備・確保できていることだと指摘している。

 医療者とのコミュニケーションが重要で、かかりつけの医師や、看護士、栄養士、薬剤師などの医療従事者とともに、情報を入手・理解・評価・活用することが理想的だが、「毎日の仕事で忙しい」「医療機関への相談は時間的な負担がともなう」などの理由で、それが難しいという人も多い。

 さらに、新型コロナの感染拡大にともない、医療体制が逼迫した状況になり、医療機関に行かなくとも、スマートフォン、パソコン、タブレットで診察が受けられるオンライン診療の利用も増えている。

ネットやSNSで医療・健康情報に接する前に確認したいポイント

 新型コロナのパンデミックはこの数ヵ月で縮小してきたが、またいつ感染拡大が起こるかは分からない。PHSや米国心臓学会(AHA)などは、適正な健康情報や医療情報を共有するために、ネットやソーシャルメディアなどで医療・健康情報に接する前に、下記のことを確認することをアドバイスしている。

情報源が信頼できるものかをチェック
 インターネット時代には、信頼できる情報ソースと信頼できない情報ソースを区別する能力が求められます。
 不安や恐怖をあおるようなタイトルや、医学的に安全性や効果が確かめられていない治療や薬などに関する情報をみたら、その情報を批判的に読んだり、いったんそのサイトから離れて、信頼できる学会や医療機関などの情報サイトで同じ情報を取り上げられているかを確認するなどの対処法が役に立ちます。
 医薬品などは、法律のもと治験や臨床研究で、効果や安全性が確認されます。医薬品として認められるのは、厳しい審査を通ったものだけです。
 医師や医療従事者に相談する余裕がなければ、自分と同じ病気の患者や、隣人・友人などに尋ねてみる方法もあります。

誰がどこで発表した研究なのかを確認
 誰がどこで発表した内容なのかを確認しましょう。学会や論文の情報をもとにした情報であれば、科学的な根拠や裏づけがあるかを確認することが大切です。
 論文が掲載される医学誌は、細かなチェックをしていることが多く、権威ある一流の雑誌では内容は厳しく審査されています。ただし、学会や論文の情報でも、すべてが信頼できるものとは限りません。
 研究を発表した人が誰で、どこに所属しているかや、研究資金を出したのはどこかといったことにも注意が必要です。

ベネフィット(利益)とリスク(危険)の両面がある
 多くの医療情報に、ベネフィット(利益)とリスク(危険性)の両面があることに注意が必要です。
 たとえば、ある治療法を受けるときに、治療効果という「利益」を期待しますが、同時に、副作用などの「危険」の可能性がないとは言えません。
 インターネットに出回る情報は、ベネフィットかリスクの一方ばかりが強調されがちですが、物事にはその両面があることが多いので、ふたつを比較して検討することが大切です。

個人的な経験にもとづく話題に注意
 ソーシャルメディアの利用者は、個人的な経験にもとづいて、投稿をするときは感情的になっていることが多く、ものごとの全体像を把握しないで、さらに都合の良い部分のみを強調し、都合の悪い部分は隠してしまうことが少なからずあります。
 個人の経験にもとづく話は説得力があり、それが他の人にとっても有用であることも多くあります。しかし、それがすべての人に当てはまるとは言えません。とくに商業活動に関連している個人的な体験談には注意が必要です。

Confronting Health Misinformation (米国保健福祉省)
Confronting medical misinformation: Tips from the trenches (米国医科大学協会 2022年8月11日)
5 questions to ask before sharing health stories on social media (米国心臓学会 2022年10月14日)
[Terahata]

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