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【新型コロナ】運動不足が重症化リスクを高める 肥満・メタボよりもさらに深刻 コロナ禍でもウォーキングなどの運動を

 運動不足の人が新型コロナに感染すると、より重症化しやすく、死亡リスクも高いことが、4万8,000人以上を対象とした大規模な調査で明らかになった。
 運動不足は、喫煙、肥満、糖尿病などよりも、新型コロナを重症化させる、さらに深刻な危険因子だという。
 「社会的距離を保つ、マスクを着用するなど、感染対策をしっかり行ったうえで、ウォーキングなどの運動を習慣として続けることが、この感染症から身を守るためにも効果的な手段となります」と、専門家は強調している。
運動不足の人が新型コロナに感染すると重症化しやすい
 運動不足の人が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染すると、より重症化しやすく、死亡リスクも高いことが、大規模な調査で明らかになった。研究成果は、医学誌「British Journal of Sports Medicine」にオンライン掲載された。

 新型コロナの流行に先立つ2年間に、運動不足の状態がずっと続いていた患者は、運動ガイドラインで推奨された運動をずっと続けていた患者に比べ、新型コロナの感染後に入院し、重症化し集中治療室での治療が必要となる可能性が高く、さらには死亡するリスクも高いことが明らかになった。

 新型コロナが重症化する危険因子として、運動不足はとても深刻で、これを超える要因として考えられるのは、高齢者であることや、臓器移植歴があることだけだという。
運動不足は糖尿病や肥満よりもさらに深刻
 ▼高齢であること、▼男性、▼肥満、糖尿病、心血管疾患などの基礎疾患があることなどが、新型コロナが重症化しやすい主な危険因子として知られている。

 運動不足であることは、これらの危険因子には直接には含まれないものの、長期的に健康に影響するものとして関連が深い。運動不足は新型コロナを重症化する因子として重要だという。

 「喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患、がんなど、これまでに知られている新型コロナの危険因子と比べても、運動不足はより危険であることが明らかになりました。ふだんから運動をする習慣があることは、これらの疾患を予防・改善するために必要であることが知られていますが、それだけでなく、新型コロナから身を守るためにも重要です」と、カイザーパーマネンテ医療センター家庭スポーツ医学科のロバート サリス氏は言う。
COVID-19と診断された4万8,440人を調査
 研究グループは、2020年1月~10月に、COVID-19と診断された米国の4万8,440人の成人患者を対象に、診断後の入院、ICU入院、死亡リスクなどについて調査した。対象者は2018年3月~2020年3月に、運動に関連した心拍や血圧などのバイタルサインの測定を3回以上受けていた。

 対象となった患者の平均年齢は47歳で、62%が女性、体格指数(BMI)の平均は31で肥満が多かった。およそ半数が、2型糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心血管疾患、腎臓病、がんなどの基礎疾患をもっていた。基礎疾患が1つだけの患者は18%、2つ以上もっている患者は32%だった。

 患者を、(1)運動不足(運動時間が週に0〜10分)、(2)中程度の運動(週に11~149分)、(3)運動習慣があり(週に150分以上)、運動ガイドラインの基準を満たしている、の3群に分けて比較した。

 運動習慣のある患者は約7%、運動不足の患者は約15%、その残りの患者は中程度の運動をしていた。運動習慣のある割合は、白人(10%)がもっとも多く、アジア人(7%)、ヒスパニック系(6%)、アフリカ系(5%)と続いた。

 COVID-19に感染した患者の約9%が入院し。約3%が重症化し集中治療が必要になり、さらに約2%が死亡した。
運動不足の人が感染すると死亡リスクが2.5倍に上昇
 解析した結果、ウォーキングなどの運動を週に150分以上する習慣があり、運動ガイドラインの基準を満たしていた患者は、COVID-19が重症化するリスクが明らかに低いことが分かった。

 運動不足が続いている患者は、運動習慣のある患者に比べ、入院が必要となった割合が2.26倍、集中治療が必要となった割合が1.73倍、死亡リスクが2.49倍にそれぞれ上昇した。

 さらに、運動不足の患者は、十分ではないにしても中程度の運動はしていた患者に比べても、入院が1.20倍、集中治療が1.10倍、死亡リスクが1.32倍にそれぞれ上昇した。
新型コロナから身を守るためにも運動が必要
 サリス氏は、「今回の研究は観察研究であるため、原因を特定することはできません」としながらも、「運動ガイドラインの基準を満たす運動を続けていた人は、新型コロナに感染しても重症化のリスクが低いことが明らかになりました」と述べている。

 「喫煙、肥満、高血圧、糖尿病、心血管疾患、がんなどの基礎疾患と比べても、運動不足は新型コロナを重症化させるもっとも強い危険因子であることが示されました。運動習慣を促進するための生活指導が、医療機関などでの日常の医療に組み込まれることが望まれます」としている。

 ウォーキングなどの運動には、「血糖が下がる」「血圧が下がる」「悪玉のLDLコレステロールが下がる」「中性脂肪が下がる」「善玉のHDLコレステロールが増える」「ストレス解消に役立つ」など、さまざまなメリットがある。

 一方で、新型コロナの流行にともない、多くの人が行動変容を強いられ、外出自粛やリモートワークの影響で、運動不足におちいっている現状がある。

 また、新型コロナのワクチン接種が開始されているが、ワクチンの数が不足しており、すべての人に行き渡るまでにまだ時間がかかる。

 「社会的距離を保つ、マスクを着用するなど、感染対策をしっかり行ったうえで、運動を習慣として続けることが、個人がこの感染症から身を守るために唯一できるもっとも重要な行動である可能性があります。新型コロナの流行により、運動をするのが困難になっている今こそ、そのことが多くの人に知られるべきです」と、サリス氏は強調している。

Physical inactivity linked to more severe COVID-19 infection and death(BMJ 2021年4月13日)
Physical inactivity is associated with a higher risk for severe COVID-19 outcomes: a study in 48 440 adult patients(British Journal of Sports Medicine 2021年4月13日)
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[Terahata]

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