新型コロナの感染対策のために、3つの密を避け、こまめな手洗いや手指の消毒などに含めて、不要不急の外出を避けることが推奨されている。
しかし、屋外での運動や身体活動は、感染症リスクを低下するために重要だ。ソーシャルディスタンスを保つ、マスクを着用する、混雑しにくい場所や時間を選ぶなどして、感染対策に努めていれば、外出は危険をともなわず運動を続けられる。
研究グループは今回の研究で、7件の前向き観察研究と48件のランダム化比較試験(RCT)を含む55件の研究を解析した。
運動や身体活動を習慣的に行うことで、(1)市中感染症とそれに関連する死亡のリスクが低下できるか、(2)免疫能力を向上できるか、(3)ワクチン予防接種の効果を高められるかを、という3点について調査した。
その結果、6件の研究(対象者数55万7,487人)のメタ解析により、運動ガイドラインで推奨されている「中等強度以上の運動を週に150分以上」継続して行っている人は、市中感染症のリスクが31%低いことが分かった(ハザード比0.69[95%CI 0.61~0.78]p<0.001)。
また、4件の研究(対象者数42万2,813人)のメタ解析により、感染症関連死のリスクが37%低いことが分かった(ハザード比0.64[95%CI 0.59~0.70]p<0.001)。
さらに、運動により感染症リスク低下につながる免疫系の向上もみられた。運動を習慣として行っている人は、免疫に関わるCD4リンパ球が多い傾向がみられた。運動により、粘膜で活躍している免疫物質であるIgA抗体も唾液で増えており、白血球の中で多く細菌免疫の主役となる好中球数も多かった。
さらに運動が、ワクチン予防接種の効果を高めている可能性も示された。A/B型インフルエンザウイルス、肺炎球菌、水痘帯状疱疹ウイルスに対するワクチンの効果を調べた計6件の研究(対象者数497人)では、運動をしている人では抗体価を示すSMDが0.142([95%CI 0.021~0.262]p=0.022)と高レベルだった。対象者は、ワクチン接種の20週間前から、ウォーキングなどの有酸素運動と筋力トレーニングを週に3回、60分間行っていた。
「中程度から活発な運動・身体活動を習慣として行うことは、市中感染症および感染症による死亡リスクの低下と関連しています。免疫系の防御の効力を強化し、ワクチン予防接種の効力も高めます。現在のCOVID-19パンデミックの影響を軽減するために、多くの人に運動を習慣として行うことを奨励する必要があります」と、研究グループは強調している。
Regelmatige lichaamsbeweging kan het risico op overlijden door COVID19 met een derde verminderen(ゲント大学 2021年4月23日) Effects of Regular Physical Activity on the Immune System, Vaccination and Risk of Community-Acquired Infectious Disease in the General Population: Systematic Review and Meta-Analysis(Sports Medicine 2021年4月20日)