【新型コロナ】妊婦へのコロナ禍の影響を全妊娠期で調査 日本の多くの女性は妊娠期の栄養が不足
日本の女性は妊娠期の体重増と栄養摂取が不十分
厚生労働省より2021年3月に、「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」が15年ぶりに改定され、妊娠中の体重増と栄養摂取が不十分という課題が示されている。 そうしたなか、コロナ禍により生活スタイルが変化し、食生活でも大きな変化がみられた。2020年3月からの新型コロナの蔓延から約3年が経過し、今後も「ウィズコロナ」の生活が継続していくことが予測される。 そこでバイエル薬品は、ラブテリと共同で、コロナ禍での生活習慣の変化による、妊婦の栄養素の摂取状況の実態について調査した。コロナ禍での栄養摂取状況の実態やそれに影響する生活スタイルなどを把握することで、妊婦や赤ちゃんのより良い健康を支える環境整備に役立ててもらいたい考えだ。 ラブテリ(Luvtelli)は、医師や管理栄養士を中心に、とくに母子健康に注力し、女性の健康支援や予防医療の普及に向けた活動をしている一般社団法人。調査は、2021年12月~2022年5月に、全国の妊娠中の女性677人を対象に実施した。
コロナ禍で在宅勤務が増加 妊婦の食事量は十分に増えていない傾向
それによると、コロナ禍での妊婦の食生活の変化として、時間と心に余裕が生まれ、自炊率が高まり、また課題であった朝食欠食率も減少したことが示された。 しかし、食費予算が減少している結果も示され、すべて栄養状態に好ましい変化があったとは言い切れないという。 コロナ禍での妊婦の環境の変化としては、コロナ前と比べ在宅勤務の割合が明らかに増えた。他国ではロックダウンで早産が減少したという報告もあり、妊婦のリスクマネジメントの観点からも、就労環境の選択ができる社会を目指すことが必要としている。 妊婦のステージ別の栄養摂取状況では、妊娠後期に向けて赤ちゃんの成長にともない、全体的に栄養摂取量を増やしていくのが理想だが、調査では妊婦の食事量が十分に増えていない傾向が示された。 炭水化物は後期に向けて減少し続け、カルシウムは中期がもっとも低値であることが示された。さらに、妊娠中・後期に付加量が設定されている鉄、葉酸は横ばいという結果になった。ヘルスリテラシーの高い妊婦は体重管理への理解度も高い
日本の多くの妊婦は栄養不足の状況にあり、妊娠中の重要な栄養素のひとつである「葉酸」は、全妊娠期を通じた不足率が87.1%。鉄は不足率が97.8%。DHAは不足率が29.0%といった結果が示された。 栄養摂取量に与える影響因子として、ヘルスリテラシーが低いことが大きく関係していると考えられるという。ヘルスリテラシーの高い妊婦は、適切な体重管理への理解度も高いことも示された。 栄養の不足・欠乏は、妊娠の維持と赤ちゃんの成長に影響を及ぼすリスクがあることを呼びかけていく必要があるとしている。 今回の調査レポートでは、産婦人科領域での医学的内容について、産科婦人科舘出張佐藤病院院長で佐藤病院グループ代表の佐藤雄一先生が監修している。妊娠中の重要な栄養素についても解説している。 「日本の妊婦さんの栄養管理はうまくいっているとは言い難い状況が続いています。瘦せの若年女性が増え、妊娠中の体重増加量が不十分で赤ちゃんが思うように成長しなかったり、栄養不足により妊娠合併症リスクが高まることもあります。今回の調査では、ステージ別の栄養状態が明らかになったことが大変興味深いです」と、佐藤先生はコメントしている。
日本人女性はマグネシウムや葉酸などが不足しがち
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