ニュース
【新型コロナ】子供の喘息はコロナ禍で減少 感染対策により呼吸器ウイルス感染が減少?
2022年12月12日

子供の喘息の新規診断数は、新型コロナ対策で2020年3月に全国一斉休校が実施された後に著しく減少し、その後も15ヵ月にわたり低水準で推移していることが、岡山大学の調査で明らかになった。
子供の喘息の減少傾向は、鼻や喉など上気道に炎症を起こすライノウイルスや、発熱・鼻汁・咳などの風邪のような症状が出るRSウイルスについての傾向とも近似しており、呼吸器ウイルス感染症と子供の喘息発症との関連が示唆されている。
「喘息を発症するリスクの高い子供にとって、これらの呼吸器ウイルス感染を予防することは、喘息発症を抑えることにつながるかもしれません」と、研究者は述べている。
子供の喘息はコロナ禍で減少 2歳以下の子供では72%減少
子供の喘息はコロナ禍で大きく減少

子供の喘息の全年齢層の新規診断数(月平均)は
668.74件から295.53件に59%減少した
668.74件から295.53件に59%減少した
出典:岡山大学、2022年
子供の喘息はしっかり治療すれば良くなる "症状がない生活"を目指して
日本小児アレルギー学会によると、喘息は、男の子、アレルギー体質がある子供、生まれつき気管支が敏感な子供、生まれたときの体重が少ない子供、肥満がある子供、遺伝的な体質をもつ子供などに起こりやすい。 さらに、ダニなどのアレルギーを起こす原因物質(アレルゲン)、かぜや気管支炎、肺炎を引き起こす一部のウイルス、タバコの煙などの室内空気の汚染物質や大気汚染物質などの環境因子にさらされることで発症しやすくなる。天気、運動、一部の薬、月経、アレルギー性鼻炎なども、喘息の悪化に影響している。 喘息で入院する子供や、喘息が原因で亡くなる子供は減ってきており、2017年の統計では、日本国内で喘息が原因で亡くなった0~14歳の子供はゼロになった。 「喘息の治療は進歩しており、しっかりと治療すれば喘息の症状が良くなることが示されています。ただし、標準的な治療を知らずに、ガイドラインに示されている治療目標である"症状がない生活"に到達していない子供は、まだたくさんいます」と、同学会では述べている。 岡山大学学術研究院 医歯薬学域 疫学・衛生学分野Impact of COVID-19 pandemic-associated reduction in respiratory viral infections on childhood asthma onset in Japan (Journal of Allergy and Clinical Immunology: In Practice 2022年9月26日) 患者さん向け 小児ぜん息治療ガイドライン (日本小児アレルギー学会)
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020 (日本小児アレルギー学会)
掲載記事・図表の無断転用を禁じます。©2009 - 2023 SOSHINSHA All Rights Reserved.


「特定保健指導」に関するニュース
- 2023年08月28日
- 極端な「糖質制限」や「脂質制限」は危険? 日本人に適した食事スタイルは? 8万人超を調査
- 2023年08月28日
- カラフルな野菜を食べている人は認知症の発症が少ない ホウレンソウやブロッコリーを食べて認知症を予防
- 2023年08月28日
- わずか5分の運動でも「がんリスク」を32%減少 無理なく続けられる「新しい運動法」を開発
- 2023年08月28日
- 週末の「寝だめ」では平日の睡眠不足のダメージを回復できない 寝不足が心臓の健康に悪影響
- 2023年08月28日
- 高齢者の「フレイル」の発生リスクを40%低減 「要支援」の高齢者が通所系サービスを利用すると効果
- 2023年08月21日
- 肥満やメタボが「腰痛」を引き起こす コロナ禍でさらに増加 「腰痛」を改善する運動は?
- 2023年08月21日
- 朝食欠食が肥満やメタボのリスクを上昇 朝食を食べない人に共通する生活スタイルは?
- 2023年08月21日
- アルコールが高血圧の原因に 飲酒量が少ない人も血圧が上昇 2万人弱を調査
- 2023年08月21日
- ストレスを解消する簡単で効果的な方法 「みんなと楽しく食べる」「睡眠を改善する」
- 2023年08月21日
- 「運動アプリ」がメンタルヘルスも改善 スマホアプリの導入は運動指導で障壁の低い介入に